第79話 漢の二人のやんごとなき姫殿下(7)

「うぅ~ん、そこ、そこがぁ~。あぁ、ああ~。そこがいい~。御方さま~」と。


 女性の声音での淡く甘い声音が漏れ聞こえてくる。きた。


「あぁ~ん、あん、御方さま~。もっと~。もっと~。ああ~。強く~。激しく~。そう、して、してくださいませ~。ああ~。お願いします~。御方さま~」と。


 更に女性の声音での掠れた淡い声色での嬌声と、本来は言いたいところではあるのだが。漏らす女性の声音を、皆も良く聞けばわかる通りだ。


 そう、大変に荒々しく、激しい声色──。声色なのだ。


 一体何を荒々しくしているのかわからない。わからない御二人さんなのだが。


 そう、この大きく荒々しい声──。大変に激しい声音の持ち主は、た、多分? 先程魔王董卓閣下に不満を漏らし。『御方~』、『御方さま~』、『もっと~。激しく~』と。淡く、甘い声音で、董卓閣下のカレである李儒(理樹)へと要求、嘆願を急かしながら告げ漏らしていた。弁皇女殿下の声色で間違えないと思われる。


 と、いうか?



 先ず間違えないのだよ。


 だから御二人はいい加減にしないと、未だ今のお時間は……。



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