第26話 魔王さまからの囁き(4)

 チラ、チラ。


 ソワ、ソワ。


 そしてドキドキ、ハラハラだよ。李儒理樹の心臓の鼓動、高鳴りはね。


 だってさ、先程、李儒理樹に自分自身は魔王だと告げ、説明をしてきた褐色色の肌をした艶やか、妖艶な少女は。彼の部屋──クローゼットの前で、いつまでも立ちぼうけをする。続ける訳もなく。直ぐに移動──。


 彼の部屋に置いてあるベッドの上。男性部屋のベッドの上に平然と座り込み。「う~ん、座り心地の良い寝台だのぅ。李儒理樹」と、彼に告げれば。


「儂は、この寝台とこの部屋が気に入ったぞ。今日から李儒理樹、儂はこの部屋でお主と共に寝起きをする事にしたからよろしく頼むのぅ~」と。


 李儒理樹に魔王だと、自分自身の事を告げてきた少女は、微笑みながら。彼が愛読しているライトノベルのファンタジー小説やラブコメ小説……。



 その他にもアニメや漫画に出る。出演をしているヒロイン達みたいな、李儒理樹に対して平然と告げてくるから。


 彼の口からは、「えぇえええっ! うそぉおおおっ?」と、ごく当たり前、一般的な台詞が驚嘆とともに吐かれる。放たれるから魔王様は面白くはないから。不機嫌極まり表情へと変え。


李儒理樹、お主は、主ある儂の事をまさか忘れたのか?」と、問いかけてきた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る