愛と正義と鰹節(凍結中)
M@TuR!Ka
第1話
その日、僕は急いでいた。予想以上に頼まれた用事に時間がかかってしまい、いつもよりも帰りが遅くなっていたからだ。
最近この辺りには不審者が出ると言う話もあるし、たとえ自分が男とは言え用心するに越したことは無いだろう。
全力で走ると疲れるので小走りで家へと急ぐ。そこの曲がり角を左に入ればもうすぐ家だ。
そして僕が角を曲がった時に見たのは、不審者だった。
どう見ても不審者。黒いマスクを着けて黒いマントを羽織って黒い靴を履いて手には黒い何かを持っている。
僕は数歩後ずさった。後で思えばこの時家はすぐそこだったし走りこめば良かったのだがこの時はとにかく逃げなくてはと言う思いが強かった。
数歩後ずさった僕を見て不審者も動き出す。これはマズイ。逃げなくては!そう思ってとにかく全力で走る。だがその時運悪く猫が足元を通った。避ける僕。倒れて行く視界。迫り来る不審者の武器。
ああ、短い人生だったな......そう思った時後ろから人影が現れ、不審者の武器を自身の武器で受け止めたのだった。
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