第73話ほんのり駄勇者~手直しする

 さて。PVが一週間で100を越えました、ページをめくってくださった方々、ありがとうございます。

 このたび、エピローグを手直ししました。

 エンドは「プッシーが決然と言った」で終わっていたのですが、魔王が簡単にひっこむかなと。おとなしくなんにも言わずにいたら、存在が空気みたいだと思ったので、まあ、ちょこちょこと。

 セリフとシーンを入れて長のばしいたしました。


 どうかなー。心配ではあるんだよなー。

 :うん。それくらいでいい。

 これくらいで?

 :うん。

 人気出るかな?

 :初めから出てるでしょ。

 つぬか漬け。

 :(ぽり)

 愛されたい、というのは。差別主義って知ってます?

 :知ってますー。

 だよね。でも、愛されたいんだ。どうすればいいのかな。

 :愛されたい、というのは。他のものをさしおいて自分を愛せよという醜い願望のことだ。

 誰にも読んでもらえないのに書き続けてる『遙かなる時空を越えて』。何がいけないのかな?

 :必ずしも悪くはない。

 いいの?

 :自分がかわいいと思ってるでしょ?

 むずかしいこと聞くな。己の身はかわいいです。大事にしたい。

 :それが他人にも伝わるから人気でないんだよ。

 どういうこと?

 :自分の身をかわいいと思う、その感情を持っている自分を愛せと言わんばかり。つくづくおめでたいよ。

 はあ。……ごめんなさい。でも丁寧に書いてるからさーなにがいけないんだろって思うよね。実際、同時期に連載してる『ほんのり駄勇者とラスボス執事』は見てもらえるのに。なんで? って。

 :修行が足りないんだよ。

 うーん。じゃあ次の作品書くかあ。テーマはロミジュリ?

 :ちっとは落ちこめ。

 え?

 :こういうのが落ちこむとき。

 どうやって落ちこめばいいのです?

 :絶望した! っていうとき。

 なにに絶望したらいいの?

 :作品世界を愛されない。愛されなくて絶望。

 別に愛されないことは確かにあることだから。文体とか長さとか、キャラ萌えとか要因はたくさんあるに違いないんだから。

 :そういうこというから愛されないんだよ。

 愛して!

 :いーやーだー!!!

 ならいいや。

 :だっ! だからー、それが早急すぎるんだよ。もっと話を聞いて。

 え? 何の話を聞けばいいの?

 :愛されない理由。

 別に言いたいなら言えばいいでしょ。

 :結局クールすぎる。ちゃんとわかってるからいいけど。

 何故愛されないかなんて、つきつめたって不快なだけで仕方がないでしょ。

 :確かに。

 愛される理由をつきつめたいよね。

 :ああ。

 希望とか優しさとか、新しさとか、心にささるとか。そういうのが愛されるんだよ。

 :厚かましくないじゃん。人間味がある。

 でも、分析せよというならしなくはない。

 :してる。もうすでにしてる。

 聞かせて。

 :話を聞く気になったか。じゃあいくよ。

 うん。

 :教えてやる。希望から反ってる。男だろ? 戦争に行くのは。

 だから?

 :戦争に行く子供がどこにいる。

 初陣迎えた皇子様とか。

 :ようするに! 作家の卵が飢え死にする話を書け!

 死んで終わり?

 :そう!

 おもしろそうではあるんだけれど。

 :そう!

 異世界転生?

 :しない!

 死ぬまでいろいろあるんだろうなー。

 :そう。暮らしの再建とか。イジワルされるとか。子供がいじめられるのを女性がいじめかえすとか。

 死因はなによ?

 :飢え死に。

 何ページ?

 :うーん、とね……先もいったように、愛されるとか障害者とかに弱いから、飢え死にするのにどれくらいかかる?

 二、三カ月かな。

 :二、三カ月何も食べずにいて、書き残したのが『遥かなる時空を越えて』誰にも読まれない作品。

『遥かなる~』はエンドが明るすぎる、そしたら。

 :明るいエンドなの?

 うん。

 :だったら幸せになんなきゃいけないし……死ぬことは叶わないじゃん? 自殺することもないしー。だったらなんなの? なんで餓死するの?

 わたくしが聞きたいです。

 :あれ? なに? そっか! 作家になる前だ、自殺するの。

 はあ、そうなんですね。

 :そうなんですねじゃあない。

 なんで作家を殺したいんですか?

 :いやべつに……ちょっとぐらい反省するかなと。

 なにを反省してほしいのですか?

 :気に障ることを書く。一人前の大人でしょう?

 なにかお気に障りましたか?

 :とにかくー、反省がない。

 誰に? なにに?

 :おまえの書く作品に! は、反省がないの!

 なんの反省?

 :国に対する責任とか! 国民に対する申し訳なさとか。ぎゅうぎゅうに詰めこめ!

 おもしろいですかね、それ。

 :おもしろくはないよ?

 じゃあダメじゃん。

 :めちゃくちゃ駄目だよ。

 じゃあなんで書くの?

 :理屈をこねてるだけ。

 そんなの書いて、どうしろと――?

 :手を抜いて書けよ!

 どういう意味?

 :人が集中して読むのって、堅苦しいか? さもありなんと思って手抜くの、ありかしら?

 ありでしょ。手を抜くというか、肩の力を抜くというか。

 :そうでしょ!? だけど、おまえは未熟なのにごちゃごちゃごちゃごちゃ。

 ああ! それを反省すればいいのか!

 :確かに。確かめるよ? 急に反省したら、こんなの書けました、いけません、胎教によくありません、っていったら?

 妊婦さんが読みそうなものは書いてないけどなあ。

 :お尻に火がついてアチチチチ!

 書かなきゃだめか……。

 :こんなのは受けません!

 はい。ならなんなの?

 :売れるようなものが書けるまで時間がかかります。

 どれくらい?

 :死ぬまでダメ。

 じゃあ、なんで先生はわたくしに作家になれと言ったのかしら。

 :だらしない先生ねえ。

 作家じゃないなら、次の道を考える。なにがいいかな。

 :スーパーのバイト。

 カゴとかワゴンを移動させるやつ?

 :そう。下に見てないじゃん。

 だめなの?

 :うん、だめよ。

 なんならいいの?

 :さて……急に疑問がわきました。

 どんな?

 :ちょっとまって。卑しいから作家になれって言われたの?

 実はその先生とは接点がほとんどないんです。いろいろ見られてたとは思いますが。しょーもないギャグとか言ってたなー。

 :もう駄目だよ。そのかわり、異常者というか、うつる癖はやめてくれる?

 うつる癖ってなあに?

 :努力も知らないで、抜き書きしたくらいで国語の表現伸びたとか。

 努力はしてますよ。この年ですもん。それなりでしょ。

 :もう駄目! やめなさい!

 努力を?

 :そっち! 全然知らない人から見たら、全然つまらない。

 じゃあ、しばらく休もうかな。

 :そっち。

 ようするにお休みしなさいよと?

 :そっち。

 じゃあなんかして遊ぼう。

 :うんうん。

 ありがとうございます。

 :うんうん。 

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