およそ二ヶ月の逃避生活の末……

 まぁ、逃避生活とは言っても、現実逃避なんだけどね。


 公募作品を書こうとして、苦悩してるって話はしましたっけね。

 真面目に純文学系の新人賞に挑戦してみようと思ったのが、半年ほど前のお話。短編や掌編を書き続けて、そろそろ公募用の中編を書くかと意を決したのが二ヶ月ほど前。順調に書き進めたのも束の間。三分の一くらいまで書き進めたあたりで、突然書けなくなってしまった。


 書けなくなったらお蔵入りさせて、忘れた頃に再挑戦すれば良さそうなもの。だけどね、締切がね、一ヶ月後に迫っている状況。気負い過ぎなのは、先刻承知。かくなる上は、完成度を犠牲にしてでも完結までもっていこうか……。

 と、まぁ、そこまで気持ち的に譲歩しても、一旦止まってしまった物語は動き出さない。そのうちに小説と向き合うことが苦痛になり、現実逃避ばかりが巧くなってしまった。


 最近は多肉植物にハマっているのだけれど、コレクションも増えたし、百鉢を超える植え替えも全て終わった。ベランダが多肉植物で溢れてきたから、ラックを設置して整理もしたし、ブルーベリーの植え付けや、コーヒーノキの植え付けまでやった。

 PCの音響も整えたし、PCスピーカーのお下がりを使ってTVの音響まで改善した。これで音楽鑑賞や映画鑑賞が、さらに楽しいものになるだろう。以前から観直そうと思っていたクリストファー・ノーラン版のバットマン三部作も観る事ができたし、いまさらながら化物語のアニメにハマったりもした。

 部屋も片付いたし、水槽だってピカピカだ。洗濯機の上にラックも設置したし、テレビ周りも木製ラックで整理した。

 そう、ここ二ヶ月、全ての事が大いに捗っているのだ……ただし、執筆を除いて。現実逃避のパワーは、恐ろしいまでの行動力を喚起してくれた。まさに、「書かなくて良いのなら、何でもやってやるYO!」といった感じ。


 とは言うものの、逃避したくなるくらい執筆を苦痛に感じているというのは、決していい状態じゃない。二ヶ月ほどの現実逃避生活の末に、現段階での公募作完成は諦めた。環境を整えて、再チャレンジする……。


 逃避生活で僅かばかり芽生えていた自信も、すっかりすり減ってしまった。少しづつでもいいから書ける自分を取り戻していきたいと思って、こうやってエッセイを描いている次第。エッセイや掌編から、またやり直すかな……。

 まともに小説を書きはじめて六ヶ月。公募作を書き上げる域には、いまだ届かず……出直しだね。


 しかし執筆が進みだすと、それ以外のモチベーションが沸かずに、また部屋が荒れてきたりするんだろうな。それでも良いから、また書けるようになりたいわ。


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