鎧装機甲セクトマン

プロローグ

――これはちっぽけな男の成長と戦いの物語――

「博士！ 発見しました！」

俺の視線（しせん）の先には2人の子供がいる。片方はずっと泣いていたのか、目の周りが赤くなってしまっている。もう片方は……胸と頭に大きな傷を負っていて、何が起きたかは明白（めいはく）だった。

「だ、誰……？」

「あ……ぁ……」

「君のお父さん、神風（かみかぜ）尽（じん）博士の知り合いだよ。君は、お父さんに電話したよね？ 俺は君達を助けに来たんだ」

怖がらせないように、微笑（ほほえ）んで優しく声をかける。

「あの！ 私達、帰り道が分からなくて……！ あと信護（しんご）が怪我（けが）しちゃって！ それで……」

「……うん、もう大丈夫だよ。君達を襲（おそ）った怪物（かいぶつ）は俺がやっつけたからね。それより、そっちの子をすぐに連れていこう」

ここに来るまでにこの子達を襲ったであろう虹害獣（こうがいじゅう）を倒したが、何故この子達は襲われたのに生きているんだ……？ まさか……。

「ぁ……」

「信護！！」

「まずい！ 意識が……！ すぐに行くぞ！」

俺は2人を担（かつ）いで神風博士の元へと向かう。

その時、信護という男の子から青白い光の粒子が微かに出ていたのを俺は見逃さなかった――。