不完全自動運転
「もう買い替えたほうが良いですよ」
親切心からと分かっているので、笑って聞き流す。時代は自動運転革命時代である。すでに最高峰と言われたレベル5が当たり前のこの時代。レベル3車を愛用している物好きは、今や僕くらいだ。
「よかったの?」
彼女はスピーカー越しに確認をする。それも今さらだ。10年前、君が殉職し――【脳】以外を失った時に決めたのだ。
AIが音声ガイダンスをしてくれたのも、もう昔のこと。レベル3の君は世間一般で言うところの時代遅れなのだ。
それこそ、今さらで。
「名探偵、事件が君を待っているだろ?」
おどけた振りをしてアクセルを踏み込む。素直に愛してると言えたらいいのに、あの時から僕は臆病なままで。
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Twitter300字SS参加作品
テーマ「運」でした。
ノベルアップ様換算で、299字でした。
車の相棒、AI、名探偵、そして恋人。最高の組み合わせじゃない?(笑)
今回もなんとか参加できてよかったです。
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