単純な推理では得られない結果なのだよ、探偵君。
優秀な遺伝子を組み合わせ製造された名探偵シャーリー・ホームズに、今僕は冷たい目で一瞥されていた。そうか、容疑者はシャーリーにこんな目で追い詰められたら、どんな犯人も窮する。愛らしい少女の姿は、作為的設計なのだ。
「ジョン。目が泳いでいるよ?」
「……」
「本来君がいないはずの場所に、私が知らない女性と一緒にいた。単純にその理由を知りたい」
「それは、シャーリー、君には――」
「そうだね、関係ない。私にはまったく関係ない。ただ、その理由が知りたい」
バカバカしいって君は言うだろう。これが何の役にたつのかって。色気も華もない僕が、勇気を振り絞った結果だから。しっかり受け取ってもらうよ探偵君――この指輪を。
________________
第67回Twitter300字SS参加作品。
テーマ「泳ぐ」でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます