第16話 『真実』を知ってしまいました
今まで”オレ”でしたが、”俺”に変更します。どうでもいいことですけど。書き方もなんか堅苦しかったので、これから砕けた感じで書いていきたいと思います。
本文編集
康太のドアノブを握る力は、力強い。
落ち着け。柔軟な頭にするんだ。
ここから先は、戦場だ。いや、死地と言った方が正しい。ただ、襲撃が起こらないかもしれないし、起こるかもしれない。最悪、この先で待っているのは『死』なのかも、しれない。
俺は俺に、心の中で呼び掛ける。
恐れるな、怯えるな、俺。目に見えている死に立ち向かわなければ、鋼の精神力など夢のまた夢だ。
フゥッ
ペンダントを握る。
支えてくれた人がいる。見ててくれた人がいる。好きな人とは仲違いしてしまっているけど、やっぱり好きな人の前では格好いい俺を見て欲しい。格好付けたい。
コータと呼んでくれる想い人。言葉は厳しいけど、悪い気はしない、愛称で呼んでくれる。
みんな、みんな、俺の大切な人。
突然家族を失い、突然知らない世界に飛んできた。そう考えると、俺は恵まれてるなぁ。
頑張れ俺、生きろ俺、生にしがみつけ、欲深くなれ。そして、そして────グヘヘヘヘッ
「───じゃ、行くか」
ガチャッ
一言、言います。さっき、空気ぶちこわしましたね。シリアスな空気返せ!
あぁ、いい空気だ。ドア開けて花畑見てると、気持ちが落ち着くなあ。さっきの発言も無かったかのように………。さて、さっさと行きますか。人生最大の警戒心で行くぜぇ。できるだけ自然に、自然に………。
マジ花綺麗。植えた奴マジ感謝。女子高生がみると「これめっちゃインスタ映えするんですけどー(笑)」とか言うに違いないな。
おいおい、無害な花見て何一瞬で警戒心解いてんだよ。もっと、緊張感をもて緊張感を。学校で呼び出しくらったときみたいな緊張感を!…………例えが悪いな。ボキャ貧の俺に的確なアンサー求めるのが悪い。
てか、この屋敷すげえな。でかい森の中にある、ポツンとした………ポツンどころじゃねえな、ドカンとした屋敷。そう思うと建てるの大変だったんだろうなー。あ、昨日の特訓の跡みっけたあ!というか、治療魔法って不思議なもんなんだな、みるみるうちに傷がふさがっていったよ。…なんか、色々ときっかけくれたのって全部サーラのおかげだよな。
……あれ、なんか俺回想シーン入ってない?フラグ立ってなーい?なんか、激マズ空気になっちゃったよ!
シーンッ
やべえよ!嫌な予感しかしねえよ!警戒心向けるの俺の方にだったよ!!だ、誰か、コンティニューボタンの位置を教えて下さいぃ!
今回はまぁ、あれだな、確実に来るな。…うん。
どうしようどうしよう!!目の前に死がありそうだったんだけど、俺のせいで確実な物になっちまったよ!!仕方ない死はどうしようもないけど、自分で作っちまった気分だ!やばい、歩く足が震えてきた。なんで、インドアな俺がアウトドア人間みたいな事しなくちゃいけないんだよ!
今すぐ回れ右して、逃げ帰りてえ!でもね、足が許してくれないの、勝手に前にいっちゃうのよぉーーーーー!!!
「……TSU N DA ☆……」
切り替えろ俺、襲撃場所まであと少しだ。やることは変わんねえ!
あと五歩
あと三歩
あと─────────到着
と、同時に前方から反射した光が見えた。
はっ?屋敷方面からじゃ────やば!くる!!緊急ガード!コボウ!!
急速接近してくる光にコボウを突き立てて、ガードする。
ギィンッ!
ぐぅ!どんな威力なんだよ。手が痺れる!!
「痛っ!マジかよ、ガードしたってのに腕がグロくなってるわ」
くっそいてえ!血めっちゃ出てるし。痛いというか、熱いな。熱痛い。
さあ、脳をフル回転させ─────
「まさか、不意打ちを防がれるとは……驚きました」
……………………はっ?…………………………
「感心しました。ですが、あまり手間をかけさせないでください。私も粗っぽくなってしまうところがありますので」
なんで………なんで、お前が………
俺の襲撃者はローブを纏ってはいなかった。そこには、金髪の髪を風に揺らされる、使用人の姿。
「……なんでだよ………………イリス……………」
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