第9話 初陣2
「ここの林の中に偽兵を置いて…」
「いや、それよりもこっちの方に…」
俺の前に氏康ちゃんが馬に乗り、俺は氏康ちゃんの後ろから彼女を抱きかかえる様に乗って、彼女と地図を見ながら作戦を立てている。
「成る程、じゃあこっちは? 」
馬に乗りながら地図を見て話し合うの、少し酔いそうでキツイ…。
「分かった、今回の奇襲は小太郎に任せた! 絶対に戻ってくるんだぞ」
俺は馬から降りて、数人の手練れを連れて、近くの農村に向かう。
◆◇◆◇
「こんにちは~! すみません、お酒って売ってますか? あと服を交換して貰いたんですが? 」
そういって農家を尋ねて酒樽を貰って、絹の和服と麻の小袖を交換してもらった。
「それじゃあ皆、酒樽を上杉陣営に持っていこう! 」
俺たちは酒樽を持って、上杉軍の陣幕に向かう。
「何奴! ここが上杉の陣幕だということが分かっての行動か!」
酒樽を持った俺達を上杉軍の兵士が刀を向けてくる。
「近くの村の者です。上杉様がここに居ると聞いて、お酒を持ってきたんです! 是非、お納めください。それで私達の村を守ってください! 」
そういって渡すと兵士は怪しそうに酒樽を見つめている。
「毒を疑いですか? なんなら毒味しますよ? 」
そういって酒樽の蓋を開けて枡に入れて酒を飲む。
「旨いですよ! 問題なし」
そういって、もう一度枡を樽に入れて酒を汲み、兵士に渡す。
「それじゃあ有り難く頂く」
酒を飲んだ兵士は直ぐに眠ってしまった。
「残念、汲むときに即効性の睡眠薬を入れさせてもらったよ♪ 」
そういって俺達は酒樽のチェックを通り抜け敵本陣に潜入する。
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