5.色々と試してみよう!

この前、アリアと一緒にモンスターを狩りに行った時、俺には何かしらの才能が有るのではと今日もアリアと着いていっている。


後、メイドのリアーナもご一緒です。一様リアーナは内緒にしてくれたそうでその変わりに面倒を見てくれている。俺としてもありがたいこと。アリアは超の付くほどの天然で危うい。


今回、俺はあることを試そうと思う。転生する前天使に『ギフト』を与えときますとか言ってたことを今頃思い出したのだ。気になるので使用してみたい。実は昔持ってた力も使えるらしくそれは使わないようにしとく。相当危険な代物だから。どう使うのわからないので色々試す。


「えっと、食らえ!」


「我が力────」


「出でよ、私の奥底に眠る力よ!」


どれもそれらしい事を言っても発動しない。当たり前だよね~こんなんで発動したら苦労しないしそもそも使い方事態知らない。


「ねぇソフィアちゃん、急にどしたの?」


俺の意味不明な行動が気になったのか声を掛けてくる。誰も聞こえないような場所でしてたのに勘が鋭いのかそれとも耳が良いのか。


「別に何でもないよ。」


誤魔化して何もなかったと主張する。だって厨二くさくて恥ずかしいし5歳児の娘と言っても女の子がこんなこと発言したら恥ずかしいよ。


「そうなのー?でも確かに食らえとか我が力とか我が奥底に眠るなんちゃらって言ってたような。」


「ほぼ全て聞かれてるよ!」


盛大な突っ込みが炸裂し二人は笑い出す。もう何だよこの楽しい生活。天使様の有り難みが伝わってきます。今度逢うときには礼とギフトの使い方を教えてもらおう。


「お嬢様、アリア様、もう門限のお時間が迫っています。そろそろご帰宅しましょう。」


リアーナに言われて気付く。もう日が落ちようとしている時間帯。時間って早いもんだな。俺は「わかった」と言うがアリアは「もう帰らないと行けないの。」とか元気を無くしていた。


「大丈夫だって明日も明後日も逢えるから。ね?」


アリアは俺が好きすぎるのか知らないけどベッタリとくっついて離れないのだ。相当なつかれているけど生憎俺としては対応に困る。離れようとしたら上目遣いで「いかないで♪」って目をうるうるしながら見てくるからどうしょうも出来ない。


「仕方がありませんね。ちょっとティア様に連絡してきますね。」


通話動力機を取り出して母に連絡し始めたリアーナ。通話動力機とは、このアルカディア大陸の最新技術の一つであり最高峰とも呼ばれている。最近ではこの大陸の国民は皆が持ち合わせているほどになったとか。裏話では異世界からの来訪者が開発した物だとも言われている。俺がこの事を知っているのはこの前、本を読んで勉強しました。


通話が終わったのか動力機を閉じたリアーナはこちらに向き。


「今日はアリアちゃんも家に泊まって良いそうです。アリア様のお母様にも許可は貰いました。」


ナイスリアーナ。こういう時に頼りになる。これを聞いたアリアは余計に俺から離れなくなってしまう。やれやれだと思う。後でお母様にお礼でも良いに行こうか。俺達三人はアストレア家の屋敷へと帰宅した。



「ソフィアちゃん♪」


「......」


先程から名前を連呼してくるのですが何とかしてください。今は食卓に向かっている最中。今もベッタリと抱きついている。


「お嬢様はアリア様に余程なつかれているのですね。」


「それは良いんだけど流石に年がら年中ベッタリは困るよ。」


あの時の事が原因だと思う。そもそもアリアは昔から友達一人も居なくて孤独だったそうだ。それは俺もだけど。初めて出来た友達が嬉しくて嬉しくてたまらないんだと思う。


「ティア様、お二人様をお連れになりました。」


扉を開くと母が食卓に座っており俺達が来ると笑顔で出迎えてくれた。俺は今日も辺りを見渡す。今日もガレスはお父様は居ないのか。5歳になってからガレスは不在時が多い。仕事で忙しいのかな?少しは心配してしまう。


「ソフィア?どうしたの。ああー今日も大好きなパパが居なくて悲しいのね。大丈夫よ、私がずっと居るからね。」


何か勘違いされた。別にお父様の事なんか好きでもないしたまに頼りになる格好いい一面もあるけどそんなんじゃないし。盛大にツンデレ発言を無自覚でしている俺。


「やはり!お嬢様はファザ....」


「何か言いました?リアーナ。」


「ゴホン、いえ何でもないです。」


誤魔化したリアーナ。ファザコンじゃないよ俺は。


「まあまあ気を引き締めてお食事でもしましょう。」


母の言葉に皆が頷き席に座る。それから食事を済ましたところで母が突然言い出す。


「ねぇアリアちゃん、ソフィアと一緒にお風呂入ってきたら?」


「ぶー!」


「お嬢様飲み物を吹き出すのははしたないです。」


「ゴメン突然の事だったから」


母は俺とアリアが一緒にお風呂入れと行ってきたので対応できなかった。調子狂うしそれにアリアは一緒に入る気満々な態度してるし。これはもしや。母の方を見る。


「ふふっ計画通り。」


何処かで聞いたことが有るような言葉を母は言った。その台詞は辞めましょう、怒られますって色々と。結局、抵抗しても拉致がしないので諦めて着いていく。


「そう言えばお嬢様は私とお母様以外に方とご一緒に入られるのははじめてでしたよね。」


確かに始めて。こうして見るとアリアの身体も気になってきたところ。断じて幼女好きではないが興味はある。まあティアとリアーナの裸を見たときを思い出すと.....色々とデカかった気がする。特に胸が。


「アリア様もお嬢様の裸を見たいでしょう?」


「そうですね。ソフィアちゃんの綺麗な体を見たい。」


別に俺は綺麗とかじゃないしまだ子どもの体。出来れば理想はリアーナ見たいになりたい。


「わぁー広い!」


お風呂場と言うか最早銭湯と呼べる広さ。見慣れた俺にとって普通だけどアリアは驚いていた。無理もない。ただのお風呂ではなく温泉だから。


「お嬢様、私はここで失礼致します。」


「あれ?リアーナは入らないの?」


何時もなら俺と同行してお背中を流してくれるリアーナだが、今日に限っては入らない模様。


「私も入りたかったです。でもこれからお仕事が有りますので入れないのです。」


涙目で悔しがっている。まあ俺の場合リアーナが居なくて安心はする。リアーナが入ると折角のお風呂がゆったり出来ない。


「お仕事頑張ってね。」


「ありがとうございますお嬢様。私リアーナ行って参ります!」


笑顔で見送り彼女も張り切って仕事に望みに行った。やっと静かになった。まず最初に体でも洗うことにする。手慣れた手つきで体全体に洗い出す。やっぱり自分でやった方が落ち着くわ。


「ねぇ私の体も洗ってぇ?」


「うんうん、これが終わったら洗うよー...ってアリアちゃん!?」


すっかり存在を忘れていたアリア。リアーナどの会話に夢中だったから忘れていた。ヤバい怒っていないかな?


「もう!なにぃその反応。もしかして私のこと忘れていた?」


「ううん、全然。忘れてなんかいないよ.....。」


「そう?じゃあてい!」


何とか誤魔化した俺だが機嫌を損ねていたアリアは突然抱きつく。


「うひゃ!」


「ソフィアちゃんの体すべすべで綺麗。髪も長くて綺麗だしどうやったらこうなるの?」


所々触ってくる。ああ、そこは駄目。アリアの手が俺の至るところ触って何か感じてしまう。いたずらっ子のように目を光らせ俺の弱いところを探し始める。先程の仕返しなんだろうなあ。


「アリアちゃん。もう辞めて。忘れていてごめんなさい!」


嘘をついていたことを正直に謝る俺であった。



「酷い目にあった。」


あれから解放されゆったりと湯船に浸かっている俺。思い出すだけでおぞましい。あんなことやこんなこと。詳しく表現してしまうと消されてしまうので伏せとく。あれは完全百合好きの人にはたまらないだろう。


しかし、お湯が温いな。良く火が通っていないのか?温すぎて逆に風邪でも引きそうな湯。最初は我慢できてたけどもう耐えられない。あれを使おう。


「魔力百分の一解放。」


小声で言う。アリアが体を洗っている最中なのでバレ無いだろう。今から俺が使うのは生前使用していた例の力を百分の一に抑える。得意魔法は火属性。この湯船を温度をあげる程度に抑えて手から魔方陣を顕現させる。そもそもこの体にこの力を使いこなせるか心配でもこの際試してみよう。


初級魔法『イグナイテッド』を発動させる。これは点火させる魔法なのでそこまで強くない。でも。


「初級にしては勢いが強くない?」


誰でも簡単に習得出来る魔法だけど火の勢いが強い。魔力だって抑えていてこの威力ってもしかして天使が言ってたギフトって魔法の威力を2倍に強化する力なのか?


段々と湯船が暖まって来たところで止める。改めてこの力を研究してみる必要が有りそうだ。


「はぁ~気持ちいい。」


暖かくなったお湯が良い湯加減でリラックス出来る。そうだ。アリアも呼ぼう。


「アリアちゃん、湯船暖かくて気持ちいよ。」


新たな発見が出来たことに満足した俺。だがこの力が後に闘いに巻き込まれる要因となるとは思っていなかった。

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