第12話

フェブが来てから、家族のライフスタイルがほんのちょっとだけ変わった。


家族の誰かが出かける時は、必ず誰かが見送るようになった。

フェブを抱いてメイの手を振りながら「いってらっしゃーい」と言う。

好奇心旺盛なので外に飛び出していかないように。


長期の旅行に行かなくなった。

誰かが必ず家に残る。

寂しい気もするけど、これを言い訳に義実家に行かなくていいのは助かる。


荷物が届いた後の箱や袋をすぐに捨てなくなった。

フェブが気にいるかもしれないからね。


掃除機が2種類になった。

それまではルンバだった。でも床にはフェブのおもちゃやら袋やらが散らかってるし、狭い隙間に入った毛も取れない。

そこでハンディの出番。

ほぼ毎日、2種類とも活躍しているけど、今週はちょっと忙しかった。

昨日は久しぶりのハンディ。取れる取れる、茶色い毛。


それから、みんなが少しずつ、猫語がわかるようになった。

夫が言う。「これは何て言ってんの?」

子供が言う。「遊んで欲しいんだよ」

私も言う。「ゴム飛ばして欲しいみたいよ」

正解は、猫のみぞ知る。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る