カクヨムヒロイン総選挙用 プチエピソード《その②》
こちらは、板野かも様の自主企画<カクヨムヒロイン総選挙>用に
書き下ろして提出したPRエピソードになります。
☆
僕が初めてお姫様を見たのは、宮殿ご用達のケンタウロス馬車に乗っている姿だった。馬車から見えた透き通るように美しい髪とまん丸な
「おにーちゃ! どこ行ってたの!? 今日はお花摘みに行く約束でしょ!」
「ごめんごめん、お城の馬車が通りかかってつい……」
家に帰ると、おめかししたプラムが、頬を膨らませて待っていた。
「きゃぁああああ!」
「え!? プラム!?」
プラムの眼前にゴブリンが数体現れ、妹を襲おうとしていたのだ! 気づくと僕は走り出していた!
「くそっ、妹から離れろ!」
「おにーちゃ! 助けて!」
僕が小石を投げつけるも、手に持つ棍棒が眼前の地面を抉り、蹴り飛ばされてしまう僕。
「おにーちゃーー!」
「く……妹から……離れろ……」
ゴブリンがニヤリと薄気味悪い笑みを浮かべたその時、僕の前に女神が現れた。
「悪しき者に水の洗礼を ――
水色の羽衣のような格好の女性が掌から放った水球が妹に迫っていたゴブリンを一撃で吹き飛ばす!
「え……まさか……リンクお姫様」
「お城は退屈だから、よく抜け出して此処にはよく来るの。私が此処に来たのは内緒ね」
まん丸の
「ギャシァアアアアア!」
「リンクお姫様! 危ない!」
残ったゴブリンが数体襲いかかるも、周囲にシャボンの泡が出現し、泡に包まれたゴブリンはお姫様の姿を見失っていた。リンク様は、流れるような動きで舞いを舞っていた。それはさながら天上から舞い降りた水の妖精。その美しさに感動さえ覚えてしまう。
「水の戯れ<
リンク様がそう言い終わると泡が弾け、ゴブリンが力を失ったように見えた。
「水の戯れ<
巻き起こる水流がゴブリンへ向かっていき、数体のゴブリンは水流と共に消滅した。
「ありがとう、お姫様ー!」
「ありがとうリンク様」
「おにーちゃんは妹を守ろうとしたんだね。その勇気、忘れないでね。シャキーンです!」
僕はこの時見たリンク様のシャキーンを忘れない。彼女は心優しくて可愛くて、それでいてとっても強い、最高のお姫様だ。
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