第27話 ちょっとそれは置いといて…
ギルドへ行くのも今日で三回目
職員の人も顔を覚えていてくれてる様で、到着後すぐにギルマスの部屋へ案内してくれた
「おう!待ってたぜ〜!」
「おはようございます、奥様、フィアちゃん
お茶を用意するので、そこのソファへ掛けていて下さい」
部屋には2人がいてそれぞれで迎えてくれた
そういえばレーナさん、私の事最初は“フィアちゃん”なんて呼んでなかった気が…
まあなんでもいっか。
言われた通りテーブルを挟んで向かい合わせに置いてあるソファの片側へお母様と座る。
ちなみにフォレストウルフさんはまだ小型化したままで私の膝の上だ。
「フォレストウルフは連れて来なかったのですか?」
紅茶のセットを持ってきたレーナさんに聞かれた。
「連れてきてますよ?」
「では何処に…?」
ここに、と言いながらフォレストウルフさんを床に降ろし、元の大きさに戻ってもらう。
「……、」
「…俺はもう驚かねぇぞ…、驚かねぇぞ…」
ぬいぐるみほどの大きさから昨日の巨体に戻ったフォレストウルフを見て、レーナさんは絶句し、ヨシュアさんはどこか遠くを見つめボソボソと何かを呟く。
まあそうなりますよね〜…
お母様は私の隣で苦笑している。
「えっと…?」
「あぁ、ごめんね?ちょっと驚いて…」
いたたまれなくなりレーナさんに声を掛ける
さっきの反応は絶対ちょっとじゃなくてすごく驚いたでしょ…
「まあこの際フォレストウルフの大きさの変化は置いておきましょう。話し合っても無駄な気がするわ。」
「俺もそう思うぜ…」
えー、酷くない?なんか酷くない?
「ゴホンッ!えー、今日ここへ来てもらったのはフィアちゃんの正確なステータスを測ろうと思ってきてもらいました。」
魔力測定って事じゃなくてステータス全部を測るってこと?そんな事出来たの?
「奥様もいいですか?」
「勿論、と言うより私も気になるのよね…」
「では早速測定器取ってきますね?少々お待ちください。」
私の了承とかは…あ、やっぱり無しですか、なんとなく分かってました。
レーナさんはすぐに何やらゴツめの器具を持って戻って来た。
「魔力測定器とは違うんですね…」
「あれは魔力のみで、こっちは魔力以外も見れるからな!」
何故かヨシュアさんが自慢げに言う。
開発者、絶対あなたじゃないでしょ…
「さて、ここの溝に手を置いてくれるかしら?」
器具の中央には手型の窪みがあり、窪みの中央には透明な石が埋め込んである。
そしてくぼみの部分から複数の線が伸びていて周りのごちゃごちゃしたなんかよくわからないやつに繋がっている。
たこ足配線してあるみたい…。
私は言われた通り窪みに手を置く。
大人に合わせてあるだろう大きさなのでサイズが合わないが、取り敢えず真ん中の石の上に手を置いてみた。
すると、魔力測定の時のように石が光る。
窪みから伸びた線にまるで電気が流れるように光が流れていく。
周りのごちゃごちゃした機械らしきものに流れた光は、さらに1番大きな部分に集まる。
そして光が全て集まると、その大きな部分から紙が出てきた。
印刷技術あるのか!すごいな…
紙には私のステータスが印刷されている様で、お母様とレーナさんとヨシュアさんの3人はその紙をまじまじと見ている。
私も見たい…っていつでも見れるか。
「あらまあ…」
「これは――――、」
「おおー、規格外にも程があるぜ…」
なんだかやばめな感じがします。
ステ振りはエアにお任せしてたからまだ把握してないんだよね…
「私も見てみたいです!」
「ええ、フィアちゃんのだから勿論いいわよ」
そう言ってレーナさんが渡してくれた紙にはこう書いてあった。
―――――――――――――――――――
種族:獣人(ネコ)
性別:女
年齢:3
生体レベル:A+
体力値:F+
攻撃値:E-
防御値:F+
MP:E+
HP:E-
〈装備〉
竜骨の杖
強化布の鎧(軽)
――――――――――――――――――――
うっわぁー、シンプルー…
でもこれ別にそんな規格外じゃなさそうなんだけど…なにかダメなのか?
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