違う

大好きを大好きと恋心を終い、終い

見ているだけの羨望、これこそ恋

伝えるべからず、悟られてはならぬ

なぜなら、その横顔は他者に身けられる恋慕

だから恋をしたのだ

私は気持ちはどこへにも行けず

ただ心に楔を打ち、縛り付け

「恋をしていた」と打ち明けるのみであった

君の恋が成就したとして、そこに割り込む我の言葉

慰めから恋は、なんと滑稽なのだろうか

ただの代わりであることは明白なのである

彼女の恋は終わらない、彼女の愛は終わらない

いつまでも馬の骨とも分からぬ輩に恋をして

愛を捧げて「好きだったのだけれど」と聞くのだ

「そんな貴方が好きだった」など言えるはずもなく

私は恋する君の笑顔を大好きだった

だから言えよう、今の君は私の恋した君じゃない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る