ANGEL

@karaf

10年前 5月2日

とある森

鬱蒼と生い茂る木々のせいで木漏れ日がほとんどなく薄暗い。

そこにたたずむ小屋。

湿度が高いためか、随分昔に建てられたせいか壁面の木材は朽ちかけていた。

ドアがギィィっと空いた。

そこから出てきたのは半裸の子供。

喉を抑えており、手元からポタポタと血が垂れていた。

小屋の奥から物音がした瞬間、子供は駆け出した。

森を突き進む。枝を踏んでもものともせず走り抜ける。


空いた小屋のドア。

その奥にある地下室の扉。


そこには人の形を失った男女が2つ。

おぞましいほどの血。

捨てられたかのようにその辺りに散らばる

男女の肉片。


翌日警察が小屋に踏み込んだ。

変わったのは腐蝕の始まった肉と

粘り気を増した血液だった。


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