子どもたちは備える
❄❄❄
――寝室にて
「俺、見たんだけど。その、フォイさんがナイフ投げるところ」
いつの間にか用意されていた白い枕を抱えながら恐る恐るイリヤが告げる。
「……マジで?」
「マジで」
「で? どうだったの?」
もったいぶらないでよ、とスレイが促す。
「手首をさ、こう、くいって振っただけだった」
そう言いながらイリヤが左手をちょっと倒す。本当に手首をちょっと曲げただけ。
「「…………」」
唖然、というより、戦慄した。あと少しずれていればレヴィルは死んでいた。
沈黙。
「……寝ようか」
「そうだね」
「明日に備えねば」
「うん」
「生きよう」
誰からともなく、ボソリと呟かれた言葉に続いて次々寝台へもぐりこんだ。
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