第16話 話しておきたい事の中に辛い事があっても

「来てくれるんだね!」

「はい!」

電話をしている時のどこか迷いがある様な声ではなく、迷いが吹っ切れた、清々しい顔をしている、

と見て取れるのは俺だけなのだろうか。


数分後、ルイが来た。

「トキヤ、拓翔、ナオ、アヤミ…。

ごめんね。私、皆を傷つけて…」

「ううん、大丈夫だよ」

ナオが言う。

「むしろ、ありがとうね」

「え?」


「アヤミと何があったのか、話してくれて」

ナオからの言葉を引き継ぐ様に拓翔が言う。

「うん…」


「少し、皆に話しておきたい事があるんだ…。

聞いてくれないかな…?」


「聞くよ、話の中にどんな辛い事があっても。

ね、アヤミ?」

「はい…」


俺達はルイから話を聞く事にした。

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