七言目



冬よりも今日の夜くらいの肌寒さの方が切なくなる。


イヤホンから流れるベタな恋愛ソングに、思わず泣きそうになってしまった。


数年前の恋愛が未だに忘れられない。


もう記念日の度思い出すようなことはなくなったけど、

恋愛ソングを聴いて、恋愛小説を読んで、恋愛映画を見て、

思い出すのは未だにあの人のことだ。


一番優しくしてくれた人よりも、

一番傷つけられた人の方が記憶に残るのは皮肉なことだと思う。


どんどん美化された記憶に、

現状はいつまでも追いつかない。




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