変態鬼パンツマン
優和
第1話 変態鬼パンツマン参上
「ぐへへへ…!身ぐるみ剥いでやる!」
「いやー!やめてー!」
手斧を握りしめ、ゲスな薄笑いを浮かべた野盗が旅の婦人に近付いていく。
「おに~のパンツはいい~パンツ~、つよいぞ~、つよいぞ~」
林の中から虎縞模様のブーメランパンツを穿いた筋肉隆々の男が現れた。
男の身長は2mをゆうに越え、銀色の長髪をなびかせている。
「た、助けてください!」
婦人はパンツの男に助けを求める。パンツの男は婦人をチラリと横目で見ると、野盗へ向き直した。
「な、なんだテメェ!」
「…貴様…強いのか?」
「るせェッ!」
野盗はパンツの男の巨体に引きながらも丸腰を確認すると、手斧を振りかぶりながら襲い掛かった。
ボンッ!
その瞬間、野盗の頭は爆発した。
ブシュウゥゥ…ドサ…
噴水のように血飛沫をあげながら野盗は倒れる。
「ヒィッ!」
婦人は尻餅をついて震えている。辺りには婦人が転んだ時に散らしたりんごが転がっている。パンツの男はそれを一つ拾うとパンツをずらして直接肛門へ押し込んだ。
ズグン!と拳ほどあるりんごがパンツの男の肛門へ飲み込まれていく。
「ふー…やはり食事は直腸吸収に限る」
「へ…変態…!」
「やめろ貴婦人、そんなに誉めるな」
照れくさそうに頬を赤く染めるパンツの男。
「おぬしも…やるか?」
白い歯をニッと輝かせながらパンツの男はりんごを一つ婦人に差し出した。
やるはずがない。
「…」
婦人は歯をカチカチと鳴らしながらパンツの男から目が離せない。
「やめろ変態、婦人にそんなことは出来ない」
婦人が声のした方向を見ると、一人の美青年が林の中の一本木に背中を預け腕を組んでいた。
「た…助けてください…!」
金髪の美青年は長い髪をかき揚げながら、優雅に婦人へ歩み寄っていく。そして婦人の前に膝間付くと綺麗な声で話だした。
「有り金全てを置いて失せろ」
「はい!?」
「めんどくせェ」
美青年が婦人の身体をまさぐる。
「あふ…」
婦人は頬を赤く染めながらなすがままにされている。
「色気付くな!」
「ヒィ!」
目の前ではパンツの男が肛門へりんごを二個三個と差し込んでいた。
シャリシャリシャリ
パンツの男の肛門からりんごを咀嚼する音が漏れている。
金髪の美青年はようやく婦人の財布を見付けると、中から有り金を全て抜き取り財布を婦人に投げ捨てた。
「ち!しけてやがるな。これは命代として貰っておいてやる。おら、とっとと帰れ」
金髪の美青年は口悪くそう言うとパンツの男の方へ歩いていった。
カオス。
婦人はそう思いながら、失いそうな気を振り絞り男達へ問いただした。
「せ、せめてお名前を…」
「あん!?」
サラサラの金髪をなびかせながら美青年が振り向くと、ニヤリと笑った。
「俺の名はアドス。勇者アドスと言えば分かるか?こいつは元魔王、今は…そうだな、変態鬼パンツマン。俺の弟子だ」
「おいおい、そんなに誉めるなよ~」
変態鬼パンツマンと呼ばれた元魔王は牙を見せながらそう笑った。
勇者アドス。
婦人は知っていた。いや、この世界で知らない者などいない。
たった一人で魔族を駆逐し、この世界に光をもたらした英雄の一人。
その弟子が、元魔王!?
理解を超えた言動に婦人の脳はパンクし気絶した。
世界を救った勇者と元魔王。
今、二人の物語が始まる。
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