第10編 2018/1/2
トンネルを抜けると雪国だ。今夜に着いて、明朝には帰る。
過ごした月日はそれなりなのに、このトンネルを一度出てからは、近寄ることもほとんどなかった。
凝り固まった頰まわりを裏側から舌で無理矢理ほぐす。
暗闇が一気に晴れる。神社の鳥居をくぐるように、夜の底へと頭を下げた。
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