第13話 初異世界人


熊を解体し、出発してからやく2時間ほど広めの広場とそこから森の外へ続く道を発見したので道沿いに歩いていく。


するとなにやら戦闘の音みたいなものが聞こえてくる。


「なんかり合ってんな?」


「なんか音が聞こえるねー」


「行ってみるか?」


「おー!」


少し(本人基準)駆け足になり走っていく。

華音も軽くと付いて来れてるしこんなもんか。



しばらく進むと馬車を囲む巨人のような魔物からそれを守るように戦っている鎧に身を包んだ集団を見つけた。


結構苦戦してるみたいだな。


「華音、援護するぞ。馬車の上に飛び乗れ。そっから回復魔法で怪我人を回復させてやれ」


「了解した!」


「よし、GO!」




一番強そうなやつに声をかける。


「おい、大丈夫か?助太刀は?」


「お、おお、助かる!」


「怪我人は馬車に寄せろ!もう1人が回復魔法を使える!」


まぁ俺も使えるんだけどな。


イメージイメージ...氷の雨。人くらいのサイズの氷の塊が降る雨。


固まった!


「うーしいくぞー!」


「お、おい!相手はSランクのジャイアントオーガの群れだぞ!1人でどうに...」


氷の塊を宙に浮かばせていく


「アイスレイン!」


パチッ


指を鳴らせば氷の塊達は的確に巨人の頭を打ち砕いていく。


「こ、こんなことが...」

「無詠唱だと!?」


観念したのか巨人達は逃げていく。


「はっはーひと塊になったらこっちのもんだよ!」


巨人の群れの前方へ移動する。


「逃がさねえさ!」


「フゥー」


さぁ集中しろ。


今度は巨人の群れだ。

異世界なら魔力使ってる斬撃飛ばしたりできそうだよな。

筋力も強化されてるし。


よっし、やってみよ。


腰を落とし構える。


『鳳凰院流刀剣術 抜刀剣術の書 剛の巻 壱ノ太刀』


「吹き飛べクソ共が!」


『轟雷』


雷光とは真逆。抜刀し力一杯に振り抜く。


残心。から納刀。


ズドォォォォォン!


煙が晴れれば頭、もしくは上半身を失くした巨人の群れが。


「やっぱやべえな。異世界」


「おーいハクー!こっちも終わったよ~!」

どうやら向こうも終わったようだしあっちへ行こうか。


「あぁ、今行く」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

[華音Side]


街を目指して歩いていたら変な音が聞こえてきたのでハクと一緒に駆け足で音の発生源へ向かう。


しばらくしたらめっちゃでっかくてまさに巨人!って魔物が馬車を囲っていて馬車を守るように鎧の人達が巨人と戦っていた。


ある程度近づいたところでハクから指示が飛んできた。


「華音、援護するぞ!馬車の上に飛び乗れ。そっから回復魔法で怪我人を回復させてやれ」


「了解した!」


「よし、GO!」


そう言うと同時に一気にハクが離れていく。

速いなぁー。


馬車の上に飛び乗ればいいんだよね。


「ほっ!ととっ」


ちょっと勢いつきすぎて落ちそうになったけどなんとか踏みとどまれた。


乗った時に馬車の中から人の声がしたけどまぁ大丈夫だと思う。


「怪我人は馬車に寄せろ!もう1人が回復魔法を使える!」


遠くでハクがなにか指示を出してる。


「はーい!みなさん、怪我をしたらこちらへ!!回復させますよ!」


そう問いかければ目の前に並んで寝かされたのは10人ほど。


並ばせた中でも一番歳上そうな感じの人が

「すまない、こんなに大勢負担をかけるだろうがどうか助けてやってくれ!頼む!」


傷の大小はあれどほとんどが命に関わるだろうと思われるほどの怪我。


ナビさんこの人達に必要な回復魔法のレベルは?


〈A:オールヒール程度です〉


OK!ありがと!


「エリア:オールヒール!」


「んなっ、範囲指定でオールヒールだと...!?とんでもねぇな...」


「よし、こんなもんかな?」


と一息つきつつ、ハクの方の様子も見なきゃと思って振り向くと、


ズドォォォォォン!


凄まじい爆発音と周りの人の息を呑む声が聞こえてきた。


煙が晴れると上半身や、頭のない巨人の群れと、一人佇んでいるハクが。


「おーいハクー!こっちも終わったよー?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

[白夜Side]


「おーい!ハクー!こっちも終わったよー?」


「今行く」


華音の方も終わったようなので華音の方へ移動する。


「こ、今度はなんの音なのよ!?」


俺が馬車に飛び乗ったからだろう。

下のほう、馬車の中から女の人の声がした。


「まぁ、とりあえず降りるか」


うんと頷いた華音を抱き馬車から飛び降りる。


「わっ!きゃっ!ちょっ!もうっ!それ禁止!」


お姫様抱っこ禁止された。


「えーいいじゃん。お姫様抱っこ以外に女の子どーやって抱えるのさ?」


「抱えなくていいから!!」


「えー、面白くないじゃーん」


「あー、御二方?少しいいか?」


「ん、あ、おう、すまん。なんだ?」


「助太刀、感謝致する。俺はこの先の街、辺境都市 ローテルンの騎士団長ロドリゴ・シグバーンという」


「あ、どうも」


さっきの鎧の人は騎士団長さんだったらしい。


「この魔の森の魔物、しかもSランク個体の群れをあんな一瞬で討伐するってことはかなり名のある実力者だろう。名前を教えてもらってもいいか?」


名前を聞かれたので名乗ろうと口を開いたところでバァーンと馬車の扉が開いた。


「ちょっと!ロドリゴ!一体何があったのよ!」


「お嬢様!出てきてはなりません!まだ魔の森の中でございます!」


「脅威は去ったのでしょう?なら大丈夫よ!」


「しかし...」


「あなたね!私の馬車の上に飛び乗るなんて愚行を犯したのは!これでも伯爵家の馬車よ!謝罪なさ...ヒッ」


「黙れ、俺は権力を笠に着る権力者は大嫌いだ。次はない」

喧しかったので少しばかり殺気を当てる。

それなりに強めにしたのだが失禁しなかったところはさすがこの森の付近に都市を構える貴族の娘というところか。


まぁ腰を抜かして顔を青ざめさせているのだが。


「すまないがその威圧、解いてくれないか?団員が動けなくってな...」


「おー、悪いな。そっちにもいっちまった」


「?」


「んー。鈍ったかな?まさか1人に集中させられないとか。まぁいいや。

んで、名前だったか?」


「ああ、頼む」

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