第5話 兄妹揃って

「おかえり、兄貴。」

ミチルが、玄関に立っている。まるで俺を待っていたかのように。

「お兄様、遊びましょう?」

美玲が俺の腕を引っ張る。

「兄貴、ゴールデンウィーク中に友達連れてくるから。よろしく。」

ミチルは満足そうに二階に上がっていった。


「お兄様。」

美玲の頬がリスのようになっている。ドングリを溜め込んでいるわけでもないのに。

「悪い、用事を思い出した。」

俺は逃げるようにして美玲のそばから離れた。



「はあ、危ないところだった。」

俺は自室で息を整える。きっとあのままいけば、リビングで何されるかわからない。一番のエロ女だから。

「あ、そうだ。」俺は、リュックからノートを取り出し、後ろのページを破る。このまま一番前のページまで破りたいところだか。

そのページに、ポケットにあるペンでこう書く。[女子禁制]と。これなら、美玲は入ってこられない。俺は少しだけだが、美玲から離れられた気がした。

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