35回目:休:安息日の行方

 絶対唯一の神様は、安息日にも働く人々を休ませることを決めました。

 預言者の言により、社会組織は休みになりました。

 官庁も。

 企業も。

 商店も。

 交通機関も。

 聖職者ももちろんお休みです。


 けれど、子の親は休めませんでした。

 人々のために働く人々も休めませんでした。


 神様はお休みを徹底させました。

 電気も。

 ガスも。

 水道も止まりました。

 そして神様は、子の親を休めるために子の時を止めました。


 人々は、何をすることもありませんでした。

 そしてただ、休むために眠りました。

 安息日は、眠りの中で過ぎていきました。


 安息日の明けた朝。人々はよく眠ったと伸びをして、日常を続けました。


 神様の設けた安息日は、そうして、夢の狭間に消えました。


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