『世界の真理』

今からおよそ200年前__シャクナ帝国、シーマニア王国、アルメリア公国の主導者と有力者が集まり結成された世界統一同盟スザンカは異能力スキル研究結果と情報交換を兼ねて国際会議を開いた。

全ての国で解明に至らなかった様々な謎、その中で世界の根幹に関わるとされるものが二つ存在した。


・子供が産まれてくる時、何らかの『異能力スキル』を習得している事。

・世界各地にある破壊不能の召喚陣の事。


スザンカはこの二つの謎を「世界の真理」と名付け大々的に発表した。会議の詳細な内容を書いた報告書を国民にも分かりやすい様に整理し、いくつかの国際法と共に発表した。


一、異能力の種類と職業ジョブについて

異能力スキルは攻撃型、防御型、回復型、身体強化型、常時発動型など様々な種類がある。

・産まれてきた子供の左手の甲には必ず異能力スキルと一緒に紋章が現れる。その紋章の柄によって職業ジョブが確定される。

職業ジョブによって使うことの出来る異能力スキルが違う。

職業ジョブは基本的に一人一つまでしか所有出来ない。

職業ジョブを強化する事でその職業ジョブ専用の異能力スキルを新たに複数個、習得出来る可能性がある。


二、国力強化について

・各国は異能力スキル育成機関、国立騎士団を設置する事。


三、新たに産まれる子供に対する処置

・産まれてから一年間は国の育成方針に従い、毎月必ず子供の身体能力ステータスを国に提出する事。

・子供が一歳を迎える際、精密検査を受けることを義務付ける事。異能力磁波スキルウェーブと呼ばれる異能力スキル反応に特異性が無く異能力スキル暴走の可能性が皆無と判断された場合にのみ毎月の情報開示を取りやめ各家庭の教育方針に従って子供を育てても良い。

・精密検査を通過した子供は4年後の5歳から各国の異能力スキル育成学校に入学させる。万が一、精密検査で異常が確認された場合は以下の内容に沿って対処する事。

・改善の兆しが見られる場合は翌年もう一度再検査をする。再検査にて異常が見られなかった場合は通常過程に遵守する事。

・改善の余地なし又は再検査でも異常が見られた場合は特異性を探るためそれ・・を研究対象とし、国が指定する育成機関に預ける事。


四、召喚陣の認識

・召喚陣は世界各地に点在していて破壊できない結界に覆われている。それにより召喚陣そのものを消滅させることが出来ない。

・そこでは常時モンスターが召喚されており、極稀に大型モンスターが召喚されるという。


五、モンスターの危険度

モンスターの危険度を把握することで適切な対処が取れるよう以下の五段階に分けた。

・世界が壊滅する危険度のエース級

・一国が崩壊する危険度のキング級

・大災害と同等以上のクイーン級

・人間が複数死亡する危険度のジャック級

・その他の小型モンスターをノーマル級


これらの法律は現代では一般化し常識となっている。大型モンスターを難無く討伐できる程度に各国の騎士団も育ち国力強化だけでなく、異能力スキル研究や魔道武器開発・機械産業なども発展し世界は安定しつつある。



「世界の真理」____この世界の根幹に関わる二つの謎。世界は見えない所でゆっくりと、着実に動き始めている。

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