きみへ

破裂しろ

何も言わずに

おれの視界の外で

一刻も早く

消えてくれ

二度と

姿を現すな

おれはどうにも

寛容になれそうもないから

お前の頭は

いかれているんだ

だからほんの一瞬でも

自分がまともかもしれないなんて

考えることは許されていないのだ

お前は

狂人だ

それも灰色の

ただの狂人だ

どうして信じ切れるのだ

鏡の無い部屋で

自分の姿を確認することなど不可能

破裂しろ

音も無く

この世界から

消えて無くなってしまえよ

もういい

わかった

お前は用済みだ

だからこれ以上、喚くのはやめろ

おとなしくそこで死ね

お前は本来そこにいてはいけない人間

お前が占有する酸素は

誰か他の人に行き渡せなくてはならない

そのような

そのような戯言を威風堂々と言って

きみはこちらに手を振って

さよならの合図を示した

おれはゆっくりときみに近寄って

笑って

そしてきみの頭部をへっこませた

鈍器で

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