第5話 未来の秘密と過去

穀田の騒動から一週間が経ち学園も落ち着きを取り戻したころ、自分は波希に呼ばれた。


「来たか渡辺、お前を呼んだ理由はわかるよな」


「あぁ未来と死神について話してくれるんだろ」


「わかってるならいい、まずは死神について話そうか」


「死神は私と未来そしてこの前来た八人計十人のメンバーで構成されてる特殊魔法部隊だ、正式名称は

対魔法特殊部隊死神、構成員の詳細も話してあげよう、まずは。


死神のリーダーがこの私、魔法ランクはSS波希梨絵なみきりえだ得意魔法は転移魔法、その名の通り記憶の中に存在する場所ならどこでも転移出来る魔法だ、ちなみにこれが私の特有魔法。


次に、死神副リーダーが安部天あべそら魔法ランクはSS得意魔法は武装付与魔法、武器に魔法を付与する事に特化した魔法だ


ここからは特に役職の無いメンバーだ


岸根涼きしねりょう魔法ランクはS召喚魔法に特化している、呼べる魔獣はペガサス、ヤマタノオロチだ。


愛良真珠あいらしんじゅ魔法ランクはS得意魔法は結界魔法、選択した範囲に結界を作り中に人を閉じ込めたり外部からの攻撃から守ることができる。


愛良瑠衣あいらるい魔法ランクはS得意魔法は治癒魔法、仲間の傷などを治すことができる。


照屋三鶴てるやみつる魔法ランクはS得意魔法は召喚魔法、呼べる魔獣はアポロン、ラーを呼べる。


諸星温生もろほしあつき魔法ランクはA得意魔法は遠距離魔法、杖やスティックじゃなくライフルに魔力を込め打つ事が出来る魔法、杖とかより遥かに射程距離が長い魔法だ。


武笠黄泉むかさよみ魔法ランクはA得意魔法は安倍と同じ武装魔法。


瀬木雫せきしずく魔法ランクはA得意魔法は加護魔法、仲間の力や守備力速さを上げることができる。


そして、未来星七みらいせな魔法ランクはUnown得意魔法は全てしいて言うなら禁忌魔法詠唱特有魔法は後で未来に聞け」


「普段の死神の仕事は何をやってるんだ」


「特にない、死神の担当はテロや暴動後は禁忌魔法を詠唱した者の確保だから、そういうのが起きない時は皆普通に学校行ったりアルバイトや仕事に行ったりしている」


「死神の事は大体わかった、次は未来について教えてくれ」


「未来の事は未来本人に聞くと良いちょうど昨日目覚めたからな」

波希はそう言うと自分もつれて転移魔法で未来の所に転移した。


「波希ここはどこだ未来が入院している病室の前だ」

波希はそういうとノックもせずに扉を開けた。


「未来ー起きてるかー」


「波希入る時はノックぐらいしてよ」

未来はベッドに座り本を読みながら言った。


「どうした渡辺ボーッとして、もしかして…未来に見入ってしまったか」


「ばっ馬鹿じゃねーのちげーし少しボーッとしてただけだしニヤニヤすんじゃねー」まあ、実際未来が綺麗過ぎて見入ってしまったのは本当だ、未来の白い髪が窓から入ってくる風でなびいてる状況なんて誰が見ても見入ってしまう。


「元気が良いのね雷切はとりあえず中に入ったら?そこだとゆっくり話せないでしょ?」


「そうだな、とりあえず入るかゆっくり話したいこともあるしな」

とりあえず、自分達は未来の横にあった椅子に座った。


「それで聞きたいことって何なの?」


「渡辺が未来の事を知りたいんだとよなぁ渡辺」


「あぁ、未来話せる分だけで良い、話したくなければ話なくないと言ってくれて構わない、だけどできるだけ未来の事を教えてくれ頼む」


「構わないよ、いずれ話さないと行けないと思っていたから、それが少し早まっただけ答えられる範囲なら答えるよ」


「それじゃあまず、未来お前は人間か?」


「いきなり直球なのが来たね、人間…なのかしらね、私は幼い頃、父と母を亡くした行き場の無い私を引き取ったのは軍の研究機関だった、私はそこでは人としてでわ無く研究材料として扱われていた。

そこで軍が研究していたのは人間と軍が極秘に召喚した神二人を融合する実験だった。

私の他にも人は居たらしい、だが、私が来る時には全員死んでいた、いや実験により完璧に自覚などが無くなって使い物にならないから殺処分したの方が正しいか、私はそこで8年間ぐらい居たのかな。

毎日毎日激痛が走る実験をされてその日の実験が終わっても身体には激痛が走り回ったよ。

そのかい合ってか私の身体には見事二人の神が融合したよ、まあ融合しても実験は繰り返されたんだけどね。

でも、ある日夢の中で融合した二人の神が出てきたて私にこういうやり取りをしたんだ」


「苦しくないのか?痛くないのか?何故抜け出そうとしない?何故あいつらを殺さない?」


「痛いよ、苦しいよ、抜け出そうともしたよ、殺したいとも思ったよ、でも私にとってあの人達が唯一の家族見たいな人なんだ、行き場の無い私を引き取ってくれて、勉強も教えてくれて、ご飯もくれて、痛くて眠れない夜は一緒に隣で寝てくれて、ここまで育ててくれた人達だから殺せないよ」


「…ならば、我々二人が其方の新しい家族になろう、我の名はゼウス、彼女の名はヘラ、其方の新しいお父さんとお母さんだ」


「本当に?お父さんとお母さんになってくれるの?痛い事しない?苦しい事しない?私を見捨てない?」


「あぁしない、痛い事も苦しい事も悲しい事も全部我々二人が背負ってあげよう、だから安心して我々の娘になれ」


「うん…なる、私貴方達の子供になる!」


「うむ、ならば其方に名前をやろう…決めたぞ!其方には星の様に輝く未来がある様にと七つの星に願い、未来星七うむ未来星七と名ずけよう」


「星七…未来星七、初めて貰った私の名前番号じゃない私の名前」


「それとこの刀もあげよう、この刀は血吸と言うピンチの時や戦いの時にはこの刀に首元をきって血を吸わせなさい、外に出れない我々に代わり力を貸してくれる」


「でも自分の首元を切るって痛くないの?」


「安心せい、痛みなど星七が嫌だと感じた物は全部我々が引き受けるから安心して使いなさい、ただしこの刀は生きているこの刀に血を吸わせると刀の感情が高ぶるそれは所有者にも影響する感情が最高潮に達すると狂ってしまうから気をつけなさい、強そうな相手を目にしてもその状態になるから気をつけなさい」


「そろそろ起きなさい起きたらそこから脱出することだけを考えなさい大丈夫私達は貴方の中に居るから」


「こんなやり取りを終えて起きたら何故か猛烈な怒りが湧いてきてね、気づいたら研究所に居る人全員殺してた、でも憎かった、許せなかったはずなのに涙を流してたんだ私、悲しかったんだろうね育ててくれた人達だからね」


「まだ、未来の中には二人の神は居るのか?」


「居るよ、夢の中でよく話すし」


「恨んではいないのか?その刀はいわゆる呪いみたいなものにしか聞こえないんだが」


「普通の人が聞いたらそうだろうね、でも私にとっては助けてくれた人達だし、それに生きる力、戦う力、誰かを助ける力をくれたから全然恨んでないしむしろ感謝してるよ、他には聞きたい事ある?」


「それじゃあ、波希と出会ったのはいつ頃だ?」


「波希と出会ったのは研究員を全員殺してから直ぐだよ私の姿を見てかなり驚いていたみたいだけどね」


「そりゃ驚くよ研究所で何が起きてる見たいだから様子を見てこいと命令されて見に行ったら少女が血だらけで涙を流しながら立っているんだから」


「ふふっその後直ぐ私は倒れちゃった見たいだけどね」


「これで最後の質問だ未来、学園にはいつ戻ってくる?」


「来週には戻るよ、しばらくは通院だけどね」


「そうか、それじゃあそろそろ自分達は帰るよ、なるべく早く帰ってこいよ、未来の今の家は学園の寮なんだから」


「うん、早く帰るよ」

未来は満面の笑みで言った。

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