異世界獅子

・顔


黄茶色の体毛、黄金の鬣を持ち、髭と牙、黄色い白めに黒の瞳のライオン。ただしとろんとした眠たげな眼に、素人がみても幼さの残る顔つき、とてもではないが、百十の王といった威厳は感じられない。当然オス。


・体格


179cm  178kg

大きな体、先に毛の生えた尻尾、四本の足には鋭い爪、若干太り気味ではあるが普通のライオン。


・経歴


スポンサーの一人のペット。異世界とは一切関係のない生活をしており、それどころか動物園産まれで狩りの経験もなく、当然人を襲ったこともない。

スポンサー曰く、異世界にどんな強大なモンスターが居ようとも、この世界で最強の生物であり百獣の王たるライオンなら負けるはずがない、と豪語し、それを証明するため無理やり実験にねじ込んできた。

実際は、異世界から持ち込まれた生物の中にはライオンを常食とする種もおり、ましてやこの個体では戦うのは難しいだろうと予測される。一方でスポンサーを怒らせないため善戦しなければならず、しかもその後を考えると薬物や改造などはできない。かなり難しい条件の下で策を講じる必要がある。


・性格


のんびりとしていて甘えん坊、でかい子猫。

少なくとも人間に対して敵意を持たず、どんな相手でもすり寄ってゆく。また攻撃されても文字通り尻尾を巻いて逃げ出す。

餌に人肉を用いたこともあったが、高級霜降り肉しか食べてこなかったため、そもそも餌と認識できず、ただ窶れていくだけとなった。


・能力


でかい猫、産まれ持っての身体能力はあるはずだが、運動を嫌い、人間に触れ合うのも相手を傷つけないよう手加減し、爪を引っ込めて甘噛みする。

一切戦闘向きではないが、唯一の長所として人間馴れしているため、追加装備を施してもそれを苦にしないでいられること。


・装備


シークレットアーマー、全身の体毛に埋もれるように隠された透明なワイヤーが格子状に全身を覆っており、帷子の役割を果たしている。軽く、動きを阻害せず、李古銃も防ぐ高性能で、その分高額。

シークレットニードル、前足の脇の下に仕掛けた小型の毒針発射装置、本来は腕時計に内蔵してあるものを魔改造し、リモコンとカメラを追加した。外部からの通信などは実験ではルール違反ではあるが、もともと情報を目的とした実験ではないため、黙認されている。

シークレットドラッグ、最後の手段、胃の中に飲み込ませたドーピングカクテルとそれを遠隔で開放するカプセルセット。通常のドーピング検査では引っ掛からないような成分での興奮剤や麻薬成分を含んだ薬剤を遠隔で処方することができる。普通のライオンでは攻撃性の上昇など効果があったが、この個体ではぶっつけ本番であり、予想通りの効果が出るとは限らない。

この個体に合わせるのも含めて実験の予算の多くを食いつぶしている。


興味深い。

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