第155話バトルロワイヤルその1
土曜日。
「さぁイベント開始まで残り僅か!!皆さんトイレには行きましたかぁ!?まだ行ってない方はお早めに!!司会は私達クラン「エンターテイメント」のりーだー事「チャン」と。」
「副リーダーのセバスです!!」
「二人合わせてー!!??」
「「チャンセバスです!!」」
「って逆やないかーい!!っというわけで私たちがメインの司会を務めさせて頂きます!!」
「さてさて、さらに今回はスペシャルゲストをお呼びしています!!今AOL最強クランと呼び声高い「カンパニー」の姉妹クラン「悪魔結社」の皆さんでーす!!」
「母ちゃん見てるかーー!!??」
「TV!!俺達TVに映ってる!!」
「父ちゃんちゃんと録画してくれてるかな・・・?」
「リーダー達ちゃんとトイレ行ったかな?」
「リーダー頑張れー!!」
「はい!!早速人選ミスな気がしますが気にせず行きましょう!!」
「それではイベントまで残り5分を切りました!!ではチャンさん!!今回のルールのおさらいをしましょう!!」
「はいはい!!今回は疑似王都でのバトルロワイヤルになります!!そこで参加クラン、204クランのうち50クランになる間で戦っていただきます!!ただこの疑似王都は10秒に10mずつ外側から崩壊していくという鬼畜仕様となっています!!皆さん頑張って生き残ってくださいねー!!」
「ありがとうございます!!それでは攻略組の中でも最前線の「悪魔結社」の皆さん!!今回の注目クランはありますか??」
「え??は、はい!!やはり「カンパニー」の女王様は綺麗だと思います!!」
「今回はアイーダちゃん出ないのかぁ・・・。」
「アイリスちゃん好きだーー!」
「エリーゼちゃん今日も綺麗だー!!」
「リーダー頑張ったら彼女できるかもよーー!!」
「はーい!!聞いた私が馬鹿でしたー!!さてさてチャンさん!!今回の注目クランはどこですか??」
「今回はですね、なんといっても一番はやはり「カンパニー」でしょう!!「鋼鉄騎士団」や「ダブルナイツ」「悪魔結社」といった姉妹クラン達はよく色々な所で見かけますが、「カンパニー」に関しては最強の名前があるのにかかわらず、あまり人前に出ないので情報が少ない未知の最強クランと言えるでしょう!!セバスはどう?」
「私は「鋼鉄騎士団」とライバルと言われている「青龍騎士団」ですかね!そしてその姉妹クラン「サイバトロン」に「Aチーム」にも注目したいところです!!」
「なるほどなるほど。確かにこの二つのカードの戦いは是非とも見てみたいところですね!!」
「はい!!さて最後のチャンスを与えましょう!!「悪魔結社」の皆さん!!他に注目クランはいますか??」
「ど、どうする!!??あのかわいい子こっち見てるぞ!!」
「お、落ち着け!!男たるもの堂々と・・・、ほ、本当にかわいいな!!」
「見、皆が見ている・・・。ついに俺たちの時代が来たんだ・・・。」
「お、おい!!この流れもしかして俺たちの事好きなんじゃ・・・?」
「リーダー可愛い子いっぱい見てるよーー!!」
「はーい残念でしたー!!彼らはもう無視しましょう!!」
「一体何のために来たんだか・・・。」
「おっと、ここでAOL検証組からの情報です!!なになに・・・?「他の注目クランをまとめましたので是非参考にしてください」・・・?ありがとうございます!!」
「ちょっと貸して!!ふむふむ・・・。他には「鏡花水月」注目ですか・・・。確かにあのクランには「鬼人」や「鬼の副長」「炎の九尾」なんかがいますからねー。」
「他にも・・・。あ!!今回悪名高き「デスペラーズ」も参加していますね!!」
「うぁー・・・。私あそこ嫌い・・・。他にも・・・あ!!「さすらい」様がいるじゃない!!きゃーー!!さすらい様かっこいいー!!」
「はーい。少しうるさいですよー。さすらいと言えば最強PKプレイヤーとして名高いですね。」
「他にも「わんにゃん倶楽部」「リア充爆発撲滅隊」なんかがいますねー!!あ、「セクシー部隊」がいる!!私この人たち嫌い!!」
「ああ!セクシー攻撃をしてくる人たちですね!?私も嫌いです!!」
「俺は好きだぞー!!」
「セクシー最高!!」
「悩殺してくれー!!」
「踏んずけてくれーー!!」
「ぼ、僕には刺激が強すぎる・・・。」
「はーい「悪魔結社」は黙っててくださいねー!!なんでこんな話だけ聞いてるんですかー??」
「他にも色々ご紹介したいクランがいますがそろそろお時間ですね!!」
「それでは皆様お待ちかね!!疑似王都での「バトルロワイヤル」!!」
「「スタートです!!」」
イベント開始五分前。
僕達は「カンパニー」ホームにて待機していた。
イベントは王都の中ならどこにいても参加できるため、どこで待機していても問題はない。
僕らは「ダブルナイツ」が持ってきてくれたTVを見ながら準備運動をして、各自思い思いの行動をとっていた。
TVには満員の闘技場とその解説室で話す「エンターテイメント」の女性二人(オリバーの情報によると二人ともリアルでアナウンサー志望の女子大生らしい)が上手く会場を盛り上げていた。
その隣で「悪魔結社」の5人が自由に話をしていた・・・。
・・・あいつらほんとに何してんだ?
こっちが恥ずかしい・・・。
「うむ!!中々盛り上がってきているな!!」
「そだねーー!!なんかお祭りみたいで楽しいね!!」
「あはは!!早く暴れたいー!!」
レイにアイリス、ライリーは早く戦いたくてうずうずしているようだ。
三人ですでに武器を抜き、ぶんぶん振り回している。
「あなた達少し落ち着いたらどう?」
「ところで三人共作戦をちゃんと覚えてる?」
「ん。覚えてない気がする・・・。」
エリザベス、クリス、エリーゼは落ち着いてソファーでくつろぎ紅茶を飲んでいる。
この6人は緊張などの問題はなさそうだな・・・。
「わ、私なんだかのどか湧いてきちゃった・・・。」
「落ち着け。いつも通りにやればいい。俺がついてる。」
「オリバー・・・。そうね。貴方がいれば頑張れる!!」
リタとオリバーはイチャイチャしている。
この二人はほっとこう。
「あいつら・・・。あんな目立つところでしっかりやってやがる・・・。」
「なんか泣けるっすねリーダー。仲間の晴れ舞台って・・・。」
プライドとグリードは仲間の実況姿に感動している。
・・・あれのどこがしっかりできているんだ・・・?
「ウィル。緊張してないか?」
「大丈夫。むしろ皆がリラックスしすぎていて心配になるよ・・・。」
「ガッハッハッハ!!いいじゃねぇか!みんなやる時はやる奴らだ!!仲間と筋肉を信じろ!!」
「・・・だね。筋肉は余計だけど。」
ドンと僕はそんな皆を眺めながら時間を潰している。
ーー「他にも色々ご紹介したいクランがいますがそろそろお時間ですね!!」
ーー「それでは皆様お待ちかね!!疑似王都での「バトルロワイヤル」!!」
ーー「「スタートです!!」」
TVから時間の知らせと、それを見ていた会場のプレイヤーたちの大声援が聞こえる。
僕らの前に「転移開始まで残り30秒・・・29・・・28・・・。」とカウントが始まる。
そして紅茶を飲み終わったエリザベスが立ち上がり天に向かって杖を突きあげる。
「それじゃ皆。せっかくのお祭りなんだから。楽しみましょう?そして他のプレイヤー達を蹴散らしてひれ伏せるのよ。私達こそが最強クラン連合の「カンパニー」なのだから!!」
「「「「「「おお!!」」」」」」」」
リーダーの一言で皆は声を張り上げる。
そして時間は「0」になり、僕らは転移した・・・。
そこは王都南門の前だった。
いや、疑似王都南門前か・・・。
風景は王都と全く変わらないが人の気配がない。
本当にプレイヤーしかいないみたいだ。
イベント参加者には実況の声は聞こえない。
もし聞こえてしまったら、誰がどこにいるか、残り何組か、今自分たちが優勢かどうかなどがわかってしまうためだ。
辺りは王都らしくない静寂に包まれたかと思うと、すぐ近くで爆発音と叫び声が聞こえてくる。
そして遠くの高い高い建物が崩れ落ちた・・・。
「早速始まったな・・・!」
「いいねー!!盛り上がってきた!!」
「それじゃ皆!!フォーメーションAで行くよ!!」
血の気の多い皆は早くも武器を構える。
その顔は子供には見せられないような血に飢えた顔をしていた。
因みにフォーメーションAはエリザベス、エリーゼ、クリスとリタが中心となり、四方をドンとアイリス、僕とレイ、オリバーとライリー、プライドとグリードが守るという形だ。
僕が先頭となり索敵しながら進み、盾職4人とアタッカー4人がペアを組み四方を守る。
中心まで来てしまった攻撃をリタが守り、残りの3人が支援、援護をするというフォーメーションだ。
これでどこから攻撃が来ても対処できる基本陣形となる。
と、いきなり背後から崩壊が始まりすでに南門が音を立てて崩れ去っていく・・・。
「あんまり時間がないようね・・・。ウィル!!一気に進むわよ!!」
「了解!!」
僕らはとりあえず崩壊に巻き込まれないように王都の中心目掛け大通りを駆ける。
もちろん陣形を崩さないようにみんなのペースを見ながらだ。
「・・・!?1時の方向屋根の上!!」
僕が叫ぶと同時に中心にいるエリザベス達目掛け矢と魔法が飛んでいく。
その一つを僕がかまいたちで落とし、ドンが中心まで駆け寄りドンとリタの盾で攻撃を防ぐ。
相手は恐らく中心にいるのがリーダーだと理解し、攻撃を仕掛けてきたのだろう。
だがそういった攻撃に対しては何度も対応できるように練習してきた。
「いきなり「カンパニー」だ!!皆打ち取って名を上げるぞ」
「「「「「「おう!!」」」」」」
正面の家から次々とプレイヤーが出てくる。
どうやら待ち伏せされたようだ。
「・・・9時の方向!!」
クリスの叫び声が聞こえた瞬間左側を守っていたオリバーが反応し、誰かの攻撃を受け止める。
「ギャハハハハ!!なんだー!?プレイヤーが沢山いるぜ!?お前ら!!血祭りにしてやれ!!」
「「「「「うぉおお!!」」」」」」
どうやら僕らは2パーティに挟まれたみたいだ・・・。
「おい!!突撃していいのか!?」
「「待て」だレイ!!あまり陣形を大きくせずに戦うぞ!!」
「了解!!」
結局レイは作戦を覚えきれなかった。
その為僕がレイの手綱を握るということになっている。
なんだか狂犬を飼っている気分だ・・・。
「やるぞテメェら・・・がっは・・・・。」
「おいおい!!ここはパーティ会場か!?みんな華麗なダンスを見せてやろうぜ!!」
「「「「「ヒャッハー!!」」」」」」
おいおい・・・嘘だろ・・・。
初めに攻撃を仕掛けてきた一人の頭に矢が刺さったかと思うといきなりその奥からさらに1つの集団が現れた。
いきなり4パーティでの混戦となった・・・。
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