第136話サバイバル島、その12
時刻は15時。
このホラー島は常に何故か夜みたいに暗いので時間はわかりずらいが・・・。
BBQはとても楽しく、そして有意義な時間になったと思う。
皆それぞれ自分の大切な者は何かを考えさせられ、そして再び食事を楽しむ。
僕はとある古い映画を思い出していた。
映画のタイトルも、内容も忘れてしまったが、とあるシーンだけは、とあるセリフだけはしっかりと胸に刻まれていた・・・。
ーーーーーーーーーーー
「今あなたの背中にはリュックサックを背負って座っています。
そこにあなたの大切な物、人生を詰め込んでいってみましょう。
さぁ想像してみてください。
貴方は何を入れますか?
では私の場合はですね、まずは家族ですね。家族を詰め込んでみましょう。
次に犬ですね。これが私に似て可愛いんですよ。
次に仕事の資料ですね。沢山あります。沢山の友人も入れておきたいですね。
次にマイホーム、家を入れましょう。
せっかく買ったのでね。
他にもお金に、洋服、様々な必要なものを入れます。
さぁ、では立って歩いてみましょう。
どうですか?
貴方は立って歩けていますか?
私は荷物が重すぎて立つことすらできません。
ならどうしたらいいでしょうか。
荷物を減らして整理させましょう。
私にとって本当に大切なものは何か、大事なものは何か。
・・・ほら、これで立ち上がることが出来ました。
人間人生において、背負える物の量は限られています。
背負ってる看板が大きければ大きいほど人間大きくなるという人がいます。
でも、さすがに限界というものがありますよね?
皆さんも人生の中身を整理してみてください。
しっかり背負って、歩けるだけの量にしてみてください。
それがあなたにとって本当に大切なものなのだから・・・。」
ーーーーーーーーーー
「さて、そろそろお開きにしましょうか。」
生産組にいたレヴィから声がかかる。
Mr.達は生産話が盛り上がりすぎて、酒が進みかなり泥酔していた・・・。
「私たちは一度フェラールに戻ってダイブアウトするわ。護衛たちもまだ戻ってきてないし。この人たちもこんな感じだし・・・。」
Mr.達は肩を組み歌い始めていた。
・・・酔っぱらった大人ってあんな感じになるんだな・・・。
僕も大きくなったら気を付けよう・・・。
「皆さん。本当にありがとね。」
レヴィはそうい残し、Mr.達はレヴィ連れられそのまま転移していった・・・。
「さて、僕たちも予定通り「真冬の島」に向かおうか。」
「お兄ちゃん。何さらっと嘘ついてるの?そんな予定なんかなかったでしょ?真冬に行く予定なんてなかったでしょ?」
「そうよ。せっかく「ホラーの島」にいるのだからここを攻略しましょう?」
「むふ。ウィルの怖がり。」
「ほんとホラー系がダメなのね・・・。」
ちっ・・・。
ノリが悪いな・・・。
いいじゃん。ここ怖いんだもん・・・。
「私たちはどうしましょうか・・・?」
「そやなぁ・・・。なぁ?よかったらうちらも「カンパニー」さん達と一緒に行動してもいいでしょうか?なんだかおもしろそうな気がするねん。」
「それはナイスアイディアです!!これで私の夢のハーレムパーティが叶うというものです!!一人余計なものがいますが・・・。」
「誰が余計だ。どうする?パーティメンバーは8人までだから組むことはできるし、「鏡花水月」の皆も「真冬の島」に行く予定みたいだったからちょうどいいんじゃない?」
「「「そんな予定はありません。」」」
「ちっ・・・。」
「私は別に構わないわよ?むしろ大歓迎。」
「さんせー!!楽しくなってきたね!!」
「ん。私も賛成。」
「じゃあパーティを組んでこの島を攻略しましょう?」
こうして「カンパニー」と「鏡花水月」でパーティを組んで「ホラーの島」を攻略することになった。
そして何故か「真冬の島」に行く件は満場一致で却下された。
あれ?
僕いつの間にかいじめられてる・・・?
「お兄ちゃんの怖がってる顔が見たい。」
「右に同じ。」
「ん。同じ。」
「そういうこと。諦めなさい。」
ということらしい・・・。
そう言うイベントって普通男女逆じゃないの・・・?
「わ、私は別にどっちでも・・・。」
「あかんよ?ウィル。男の子はお化けなんて怖がっちゃ。かっこつかへんで?」
「ぷぷっ。ざまぁみろですね。ダサいですね。そのまま怖がって心拍数上がって警告出て強制ダイブアウトしてしまえばいいんですよ。男なんていらないんですよ。」
卍さんは優しいので悩んでくれていたが、他2人はやはりだめだった・・・。
というかフクチョーに関しては悪意しかなかった。
悪意の塊だった。
「鬼のフクチョー」に二つ名はだてではないらしい・・・。
因みに「ダブルナイツ」「悪魔結社」「鋼鉄の騎士団」は合同で今「砂漠の島」の攻略に励んでいるらしい。
男臭い集団がさらに熱いところに行ってさらに男臭くなる。
そんなことを経験したいとか。
僕には意味が分からなかった。
フランジェシカは大興奮していたが、さすがに砂漠には行きたくないらしく、残念がっていた。
あっちは相当熱く、厚着をしているだけでバットステータスになるらしい。
逆に「真冬の島」に行くと、かなり厚着をしないとバットステータスを受ける。
季節や気温によって装備を変えなければいけない情報は、今後の冒険に大いに役に立つものだった。
帰ったら様々な種類の装備の準備をしなくてはならない。
「で?どっちに向かうの?南東にある城に向かうか、南西にあるダンジョン、それか西にある廃墟街がこの島では大きなダンジョンみたいだけど」
「もう。お兄ちゃんカリカリしないの。男ならドンと構えてなきゃ。」
「そうよ。唯一の男なんだから。」
「ん。城に行きたい。」
「エリーゼがそういうなら城にしましょう?この子の勘はよく当たるから。「鏡花水月」の皆もそれでいいかしら?」
「もちろんです。エリザベス様がお決めになったことなら・・・。」
「うちもそれでええで?エリザベスちゃんに逆らう気にならへんから・・・。」
「そうですね。先ほどのあれを見させられると・・・。それにお城にはいってみたいですし。」
「鏡花水月」の皆は先ほどのエリザベスと「デスペラーズ」とのお話が相当怖かったみたいだ。
こうして僕らは南東にある城を目指すのだった。
「ところで卍さんはなんで「鬼人」なんて二つ名を貰ったの?全然そんな風には見えないんだけど・・・。」
「それはですね・・・。お恥ずかしい話、以前のウィルさんのイベントの無双がかっこよくて・・・。それで私もそんな剣士になるために出会う人出会う人皆さんにPVPを挑んで自分を鍛えていたらいつの間にかそんな二つ名が・・・。」
「そうですよ!!ウィルさんのせいです。お姉さまは本来であったら「お姫様」とか「美人剣士」とか「フクチョーの妻」とかの二つ名がつくはずだったんですよ!!」
「最後の願望丸出しだな。そうだったんだ・・・。僕そんな真似されるような男ではないと思うのですが・・・。」
「いいえ!!そんなことありません。ウィルさんの戦っている姿は本当にかっこいいんですから!」
そんな真っ直ぐ言われると照れるし、なんか嬉しいな・・・。
まぁ、だからってみんな僕の事睨まないでほしい。
フクチョーはなんで弓を構えてるんだ?
怒りすぎだろ・・・。
「そ、そっか・・・。ありがとう・・・。フクチョーはなんで「鬼のフクチョー」なんだ?新選組のファンとかなのか?」
「はい?貴方は馬鹿なのですか?アホなのですか?脳なしなのですか?頭すっからかんなのですか?私が男だらけの剣士集団を好きになるわけないじゃないですか。」
「言いすぎやでフクチョーちゃん・・・。フクチョーちゃんはな、PVPで男の股間ばかりを矢で射って、「みんな女になってしまえばいい!!」って叫んでいたら、いつの間にかそんな二つ名がついてしもうたんや。」
怖すぎだろ、それ・・・。
それに男の股間を潰しても女にはならないだろ・・・。
しかし「鬼のフクチョー」ひあ思ったよりも鬼だった。
男として恐怖しか抱かない・・・。
被害者の方々にご冥福をお祈りいたします・・・。
「貴方も男でいたいなら私に逆らわないことですね!服従することですね!奴隷でいるべきですね!!そうすれば、まぁ見逃してあげてもいいですよ?」
「男からしたら性格最悪だな・・・。おい!!弓を股間に向けるな!!そんなの刺さったらトラウマになる!!」
「男は一度入れられる痛みを知った方がいいんですよ!!」
「どこに入れるつもりだ!!そんなの入るわけないだろ!・・・だからってお尻に向けるな!!勝手に僕の新しい扉を開くな!!」
「大丈夫です!!痛いのは初めだけです!すぐに気持ちよくなります!!」
「なりたくないわ!!そんな気持ち知りたくもない!!・・・うぉ!?本当に撃つ奴があるか!?」
「ちょっと!!避けないでください!!入らないじゃないですか!?というかこの距離でよけるってどんな反射神経してるんですか!?化け物ですか!?」
こいつ本当に撃ちやがった・・・。
どんな神経してるんだ・・・。
「ウィルさんすごい反射神経・・・。かっこいい・・・。」
「あ!!姉様何感動してるんですか!!こんな化け物のどこがいいんですか!目を覚ましてください!!正気に戻ってください!!私だけを見てください!!」
卍さんが僕を見て感動している・・・。
そんなことで感動してないで助けてくれませんか・・・?
「あ!!こいつまた撃ちやがった!!何がしたいんだお前は!!」
「大丈夫です!!ほ~ら、すぐに気持ちよくな~る、気持ちよくな~る。」
「ならんわ!!なんだその呪いの呪文は!!」
「・・・今だ!!死ね!!」
「あぶなッ!?こいつ今死ねって言った!?」
フクチョーが何度もスキルを使って弓を射ってくる。
本当にこいつ頭おかしいだろ・・・。
「お兄ちゃんお尻が好きだったんだ・・・。」
「大丈夫よウィル。お姉ちゃんはどんな趣味があっても受け入れてあげるから。」
「ん。私がお尻開発してあげる。」
「なら私は道具を買ってこようかしら。なんだか楽しそうね。」
マジでやめてください・・・。
僕の初めては誰にもあげる気はありません。
そんなこんなでうるさいパーティとなった僕らは順調に城にたどり着くのだった・・・。
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