第32話装備とサービス

目を覚ますと香織さんと千紗が隣にいた。

月に一度は一緒にこうして寝てる。

昨日は爺さんの話をしたから恐らく寂しくなってしまったのだろう。

因みにお風呂も一緒に 入った。これと毎月の恒例。姉さん達が来るまでは毎日一緒に入っていたが来てからはだんだん回数が減り今では月一。中学生のころまでは何にも感じなかったが高校生活にもなると少し思う所はある。

更に因みに香織さんは確かにサイズアップしてた。二人とも白い肌が似合い美人だ。本当にエルフなんじゃないかと思ってしまった。

ユイと姉さんも白い。廃ゲーマーだけあって家から出ないからだ。姉さんは年相応だがユイはなかなか実らない。まぁ天使だから気にならないが。

月一の恒例行事だが毎回二人がぶーぶー文句を言うのをやめて欲しいもんだ。


「おはよ。今日も雨ね。ランニングはしないんだし時間あるからえっちする?」

「しないよ。おはよ香織さん。相変わらず朝早いね。二人とは大違いだ。」

「ふふっ。女の朝は早いのよ。あの二人はある意味女を捨てているからね」

確かに。家事はできない廃ゲーマーとなれば言われても仕方ないだろう。

「ん。おはよ弥生。まだ時間あるね。えっちしよ?」

「しないよ。全く姉妹だな。二人は。」

「?姉さんも同じこと言ったの?ダメだよ?私が先。」

「ふふっ。先を取るつもりはないわよ。私とちーちゃんが先にするっていうのはどう?」

「ん。それはない。初めては弥生ってきめてる」

残念。と香織さんは言い。僕の腕に抱きつく。千紗も反対の腕に抱きつく。全く欲求不満すぎだろ二人とも。だけど少し嬉しくもなる。


僕らはゆっくりと起き、朝食の準備。

5人で食べて学校へ。

雨だが5人でいると心は晴れやかだ。



昼休み

「ふぁぁ。弥生掲示板見たか?」

「見てないよ。っていうか眠そうだな。」

「タクったら授業地ずっと寝てたのよ?またテスト赤点になっても知らないわよ?」

「ユリは相変わらず良く見てますなー!!」

「ちょ、加奈!何言ってんの?」

「えへへー!」

「そうよ。タクは弥生が居るんだもの」

「おいナギ。気色悪いこと言わないでくれ」

「いいじゃない。興奮するんだから」

「ちょっとナギ!JKのセリフじゃないわよ。」

「欲求不満なんだね!私もだよ!」

「ふぁ。お前ら元気でいいな。羨ましいよ」

「遅くまでゲームか?」

「ちげーよ。昨日は早く寝ようと思ったのに夢で二足歩行するカエルに追いまわされてねれなかったんだよ」

確かにアレは怖かったな。

女子3人は笑いタクを馬鹿にする。


「それより掲示板だ!第2の街に到達したパーティがいて街が解放されたんだ!」

「へぇーそっか。」

「それだけっ??悔しくないのか?泣きわめかないのか?発狂しないのか?」

「ガキじゃあるまい。それで?どんな街なんだ?」

「ましかよ。俺は泣きわやめいて発狂したがな。」

マジかよこいつ。

「それより街だ。まぁといっても大した街じゃないらしい。街と街の間にある宿屋が中心の街らしい。交易都市とでもいうのかね?かなり規模は小さいらしいが。」

「ふぅん。一番に街に行くとなんかあんのか?」

「ふぅんて。まぁいい。特に無いらしい。ただ空腹度が導入されるみたいだ。」

「空腹度?」

「読んで字の如くお腹が減るの。でね?お腹が減りすぎるとデバフがつくの」

「でもねー!食べ物食べると物によってバフがつくんだよ!」


バフは能力を上げる。デバフは逆に下げるらしい。


「なるほどね。つまり料理スキルが必要になるわけだ。」

「そういうこと。まぁ転移ポータル登録場所が2箇所以上になったプレイヤーのみらしいが。」

「初めからあると新規プレイヤーが大変だからか。」

「そういうことだ。俺料理なんて出来ねえよ。」

「わ、私は少し出来るから作ってあげてもいいわよ!弥生ほどじゃ無いけど……。」

「はいはーい!僕もできるよ!焼肉とか焼きそばとか!野菜は無しだけど。」

「それは料理とは言わないわよ。私はGそこそこあるし、街から出ないから関係ないかな」

「生産者には関係ないか。はぁゲームでも料理するのか。」

「千紗や香織さんに作って貰えばいいんじゃないのか?」

「あの二人も僕が作った方がいいっていうに決まってるあと二人は論外だし。」


そんな会話をしながら昼休みは終わる。

こんなにゲームの話をするなんて僕も人のこと言えないなと思う。


この日は家事と勉強で終わる。

2人は僕とレベルが離れるのがくやしいからとaolをやる。

まぁ彼女達は勉強せずともいい成績を保てるからな。チクショウ。理不尽な世の中だ。


火曜日になり少しづつ第2の街に到達するプレイヤーが出はじめたらしい。

ただ周りの魔物のレベルが上がるのと、大半が初心者冒険者の武器が壊れ調達が難航。身動きが取れなくなって居るそうだ。


勉強をし、家事を終え、ダイブする。今日は出来て三時‬間なので移動で終わるだろう。


「あっきたきた!まってたわよ!こっちが前に話した裁縫師のテイラーよ。」

「こ、今日は。テイラーです。ごめんなさい。」

「えっと。彼女は見ての通り人見知りでね。悪い子じゃないんだけど。でも腕は確かよ。」

「えっと、こんばんは。レヴィ。.それと初めましてライリー。ウィルです。よろしくお願いします。」

「中々センスのいい服ねライリー。私はエリザベスよ。良しなに。」

「ん。ワッペンかわいい。私はエリーゼ。良しなに。」

「クリスよ。宜しくね?」

「アイリスだよ!!服もう出来たの?楽しみだなー!」

「えっ、えっと。よりょしく、あっ、ごめんなさい。」

なんか女神を思い出すな。

「大丈夫よ。ライリー。ゆっくり話してみて。貴方とお話ししてみたいわ。」

「ん。ゆっくりで大丈夫。ちゃんと待ってるから」

エリザベスとエリーゼは大人だな。社交界で慣れて居るからだろう。因みに僕もよく連れて行かれる。虫除けだそうだ。

「あ、ありがとう。昨日の、あの、要望どょうり、あぅ。要望どうり出来ました。」

重症だな。彼女は。


だが白いワンピースに金髪のロング、青い瞳に白い肌の可愛らしい町娘の様な彼女が頬を染めながら話す姿はなんとなく保護欲をさそう。


ん?昨日?


「じゃあ早速着替えに行ってみよー!」


という事でMr.のいる鍛冶場へ。


「ジャーン!お兄ちゃんどう?どう?似合ってる?」

全身ピンクのローブに服、ズボン、ブーツまで。所々にクマさんの毛皮が付いていた。フードにはクマ耳まで。

「えへへー!実はここにもクマさんが!」

と言ってスカートをめくる。するとお尻の部分に可愛いクマさんがいた。


いやっ中3でクマさんって。

「すごく可愛いよ。ただスカートをめくるのはやめような」

えへへーとぴょんぴょん跳ねながら喜ぶアイリス。

「やーちゃん私は?」

クリスは全身深緑でまさにエルフといった感じだ。デザインはアイリスと同じの様だ。

「因みに私はクマさんいないよ。」

と言いスカートをめくる。レースのミドリのパンツ。セクシーな感じだ。

「聞いてないから姉さん。でも似合ってるよ。本当にエルフみたいだ。」

ふふっと回る姉さん。

「ん。弥生。」

エリーゼは全身白の様だ。デザインは同じ。

本当に綺麗だ。

「クマはいない」

白いレースのパンツにはクマさんはいない。

というかクマさん期待してないし。

「凄く綺麗だよ。エリーゼ。」

頬を染め微笑むエリーゼ。最近僕の中で何かがおかしい気がする。

「最後は私ね?」

全身深い青でデザインは同じ。しかしエリザベスはその美貌と相まって女王さまのようだ。みたことないけど。

「はい。私もね?」

深い青のレースのパンツ。というかスケスケで薄っすらと生えた毛まで見える。このアバターそこまでリアルなのかよ。

「綺麗だよ。本当に女王様みたいだ。というか下着スケスケすぎない?」

「ありがと。大丈夫よ。隠すべきところは隠れてるから」

僕にはまだ早い世界みたいだ。


「えっえっと、皆さん。メニューから下着が見えなくなるように出来るのでやって下さい。お願いします。」


スカートの中が謎の光で見えなく出来るようにできるらしい。

いらない機能だ。


みんな素直に設定する。

このアバターは裸にもなれるため女性には色々と救済措置がされているみたいだ。

まぁその方が僕としても安心できる。


そして僕も着替える、が、


「ねぇ、なんで僕も同じデザイン?ローブじゃなくて籠手と胸当てにマントを頼んだはずじゃ?」

「ごごご、ごめんなさい!昨日色の変更とデザインの変更がありまして!因みに色変更で追加料金も頂きたくて…。ごめんなさい!」


横を見るとみんなこっちをみてウンウンいってる。

お前らかぁ…。

「あっ、いえ大丈夫ですよ?ウチのアホどもの仕業みたいなんで。ライリーさんは悪くないです。幾らですか?」


「あ、ありがとうございます!えっと、36点の色の変更がありましたので36000Gになります。ごめんなさい。」


おい!高いな!


「この前私達に内緒で面白そうなことしてた罰だよ?」

「ん。そういう事。それにお揃いにしてみたかった」


それを言われると何も言えない。内緒にはしてないが。


素直に払い装備する。


「じゃあ次は武器ね!みんな受け取って振ってみて。」


素直に従い受け取り振る。

「……ウィルとエリザベス。貸せ。」

Mr.に渡すと何やら手直しをする。

「…もう一度だ。」

僕らが振ると満足そうに頷く。


すごい。これが職人か。さっきと見た目は何が違うのかわからないが、今の方がしっくりくる。嬉しくなり何度も振る。


「気に入ってくれたみたいね。良かったわじゃあまた明日ね」


明日?


僕らはお礼を言い別れる。


「あれ?こっちは北門だよ?」

「いいのいいの!今日は釣りをするのだ!」

「ん、ウィルだけずるい。私達もする。」

「そういう事。釣り教えてね?」

「沖に出るような無茶はしないから安心して。走るカエルなんかみたくないしね」


だよね。僕もみたくない。


僕が先頭で海岸に案内する。




「うわーいいところだね!!」

「ほんと。砂も真っ白だしきれい。」

「ん。海もきれい」

「そうね、化学汚染なんてない世界だものね」


「ちょ、ちょっといつの間に!?」



海につき振り返るといつの間にか4人が水着姿になっていた。


アイリスは白と青のボーダーのタンキニタイプだ。色々言いたいことがあるがとにかく天使だ。お尻の部分にちゃんとしっぽがでる穴がある。


クリスはボーイレッグだ。ジーンズ柄のホットパンツに上は白ビキニに鮮やかな花柄が描かれてある。うちの姉さん本当にきれいなんですよ、奥さん。


エリーゼは白いビキニに花柄のパレオに麦藁帽。もうエリーゼが女神様なんじゃないかと思う。


エリザベスは黒のマイクロビキニに黒のサングラスをつけていた。

恐らくギリギリ隠れてるくらいのだ。エロすぎる。そしてサングラスはいつかった?



「えへへー!お兄ちゃんにあってる?」

「やーちゃん、どうかな?」

「ん。どうかな、あとこれ弥生の」

「どうかしら、弥生。少し地味だったかしら?」


僕は一人一人に感想をいい水着に着替える。

青地のサーフパンツに所々猫の柄が入っている。これエリーゼが買ったな・・・。



「じゃあお兄ちゃんには仕事を与えます!!これです!ばばーん!!」


そこには調理セットとBBQセットがあった。ここまで用意周到だったとは・・・。


「これね、昨日みんなでお金を出し合って買ったのよ。」

「ん。弥生にプレゼント。」

「そうよ。これでいっぱいおいしいもの食べさせてね?」


最後のが本音だろう。だがこれは純粋にうれしい。


あとエリザベス俯かないで。見えちゃいそうだから。



その後4人に撒き餌と釣り竿の使い方を教えBBQの支度をする。

ちゃっかり野菜まで用意してあった。おかげでみんな財布はすっからかんらしい。


その後大量の魚と、大量の食べ物で溢れ、楽しい一日となった。


余談だが僕の調理スキルは8まで上がった。

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