2・恋人同士の会話

「ねぇ」

「ンだよ」

「もしも、さ。

 世界が真っ暗になって、何もかも手探りでしか探せないとしたら。

 …あんた、私の事、見つけられる?」

「無理だな」

「即答しないでよ。

 男なら、『大丈夫だ。絶対に君を見つけてみせる』とか言ってよ」

「言えるか。そんな気障な事」

「照れ屋」

「うるせぇ」




「……あのよォ」

「なに?」

「さっきの話なんだけどさ」

「世界が真っ暗闇になるって話?」

「そうだ。

 ……ひとつ、付け加えておいていいか?」

「どうぞ」

「何もかも手探りで探すしかねぇんだろ?」

「そうよ」

「俺、おまえを探す必要なんて無いな」

「どうしてよ」

「だってよ、今みたいにさ、おまえの傍にずっと居るからさ。

 傍に居るんなら、探す必要はねぇよな?」

「……傍に居るの?」

「…………………」

「照れてる照れてる」

「あー!! うるせぇ女!!! 少し黙れよ、馬鹿」


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