第4話バベルの図書館、アザレア、指先2018.01.27

「白いアザレアを贈りたい」

震える指先で示す文字。

難病を必死に戦ってきた妻は、私の誕生日にその言葉をくれて旅立った。

その時はその意味が分からなかった。

もしもバベルの図書館に、妻の生涯が描かれているのなら、私はそこに受け取ったことを書きに行きたい。

私の白いアザレアを添えて。

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