第44話 クスクス ねぇねぇ

この間ね…


女の子の会話は長い、仕事終わりに入った居酒屋そろそろ閉店だろうか?

同僚達は喋り足りないらしく、二次会はカラオケと言っている

歌わないんだろうなぁ

どうしようかな…

悩んでいる時に貴方からのメール

そろそろ閉店だろ?店の前に居る

隣の女の子が覗き込む

彼氏からですか?誰なんですか?

私達の関係は秘密にしていない

けれど知らない人も多いらしい

恋人のような雰囲気がないみたいだ

え?知らないの?部長だよ!

向いに座った女の子が答えてくれた

余り自分からは言いたくないので助かった

店の前に居るらしいの、そろそろ出るでしょ?

私の言葉にみな帰り支度を始める

部長がお迎えって凄いですよね

そうだよね普段からは考えられない

いつもクールでデレるの想像出来ないもん

女の子達は口々に話し出す

(そうでも無いんだけどなぁ)

声には出さない会社外では手を繋いで歩いたりもするし

寒そうにしたらコートの中に入れてくれたりもする

普通の男性と同じだと思っている

それでも仕事の時とは違うかな

なにが起きても動じない、誰に対しても態度が変わらない

そんな貴方しか見てない人には想像つかないかもね

仕事であっても彼はちゃんと感情出してるのに

とても周りに気を使ってるのに

中々周りに理解されないのかな

私には直ぐに分かったのにな

他の子より少し先輩なので多目に会計

口々にご馳走様を言って店を出る

歩道に貴方の姿を見つける

女の子達に捕まったのね、カラオケ誘われちゃって

私を見付けて少し顔を緩める

君達だけで行ってきなさい、彼女は連れて行くよ

ハッキリと断ってくれて、私の腰に手をやり引き寄せる

また来週ね、お疲れ様

挨拶をして別れる

後から彼女達の話声が聞こえる

社外だから?腰に手を回してた!

見た見た!以外だった!

距離を置いて歩くタイプだと思ってた

そうだよね!スキンシップとかしなさそうなのに!

好き勝手言われてるわね

貴方は気にしないで腰の手を解かない

女の子達は嫌いじゃないが

長時間は疲れてしまう

それを見込んで迎えに来てくれる貴方

今日はこのまま彼の部屋かな?

お風呂に入って部屋着に着替えて

二人でゆっくり飲み直そうか

静かな音楽でも流しながら

会話がなくとも二人寄り添い

ゆっくりと流れる時間を楽しもう

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