あなたが、おまえが欲しい

響奈津子

第1話気付いてよ

貴方の長い指に挟まれる煙草

その先から煙る紫煙に見とれる

本当は貴方の顔が見れないだけ

でも長い指も好きなのよ

不意に笑う貴方

「好きなんだな」

呆れたように言う

気がついてるんでしょ?

ドキドキし過ぎて顔が見れない事

目を伏せたまま私も返す

「煙草の煙がね」

思ったよりも素っ気なくなる

気づいて欲しいのに

気付かれたくない

この関係を壊したいのに

壊したくない

貴方が私に優しいのは

親友の妹だから?

お茶にも食事にも付き合ってくれる

誰と居ても優先してくれる

それが女だとしても

自惚れちゃうでしょ?

でも何も無い

やっぱり妹位にしか思ってないの?

今度お酒にでも誘ってみようかな

酔った勢いでも構わない

貴方が私を求めてくれるなら

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る