十四階

 十四階。


 指のような白魚が泳いでいる。あなたとあなたの指に集まる。

 見れば指より指らしい。指は魚より魚らしい。

 白魚が身を摺り寄せる。あなたの指になり変わる。

 人の爪と魚の目との、区別さえもつかないあなたを、指は見捨てて泳いでいく。


 十五階へ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る