「あの、お釣りが違うんだけど、どうなってるの」

「はい？こちらではエラーも表示上の計算も間違ってませんが、具体的によろしいでしょうか？」

「はっ？だから釣銭が間違っているの!!」

「釣銭が足りないということでしょうか？」

「はっ？足りないか足りてるかじゃなくて!!」

「足りないか、足りてる以外に何が問題なんですか？」

「いい、6320円で2000円入れたの」

「はい」

「それで、その後1万入れたの」

「なぜ？」

「だから、その…千円無いなと思って」

「あ～6枚あると思ったら2枚しか無かったということでしょうか？」

「そう」

「大胆に見間違えしてますね」

「………で、1万入れたんだよ」

「6320円の清算に対して12000円ですよね、5680円ですが、出てませんか？表示では支払い済みになってますけど」

「おかしいじゃん!!」

「何が？」

「だって5680円だよ」

「確認しますが、5680円出てるんですよね？」

「そうだよ、だから変なんだよ!!」

「何がおかしいか、理解できないんですけど…退室してもらえます、迷惑なんですけど」

「はっ？出ろってなんだよ!!」

「理解できなければ、これからお部屋に伺いますがいいですか？」

「……えっ？……合ってるの？…………なんで……」

　どうやら連れの女に諭されているようだ。

「あ～、すいません…合ってます…そうです…合ってます」

「退室、急いでいただけますか。では」

　寝ぼけてるんだろうか…朝が弱い人らしい。

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