第149話 群馬…

「あっ、またコイツだ」

 クレジットで清算する群馬ナンバー、週末に家族連れで泊まっていく…ちょっとアレな家族だ。


「ソイツな、週末に来るよな最近」

 他のバイトも知っているようだ。

「いつもクレジットなんですよね」

「そう…最近ね、最初は現金だったよ」

「えっ?ソレ、ダメなパターンじゃないですか」

 僕の経験上、デリヘルやホテル代の支払いがカードに変わると危険な予兆なのだ。

「あぁ…前さ、部屋にタバコ届けたら、子供の股間に電マあててたんだよ」

「見た目に違わぬキチ〇イじゃないですか」

「ホントだよ…警察沙汰になりそうで嫌だよ」


 カードを使うため、フルネームもナンバーも解ってるわけで…履歴を拾うと

「今月だけで8回カード使ってますね」

「だろうね、ソイツ、泊まってくだろ、その日のうちに、また来たりするんだよ」

「週末、ココに住んでるじゃないですか」


 フロントに電話が入る

「子供と入りました、休憩します」

(ん?)

「あの…お子様、おいくつで?」

「はい…おい〇○って、いくつなんだっけ?………9歳です」

「そうですか…まぁ、あまりお子様連れは歓迎できないんで」

 それだけ言って電話を切った。


 掃除に出ていたので、ナンバーの確認は出来ないが…

 フロントに戻って、ナンバーを監視カメラを確認する

「やっぱり…」

「どうした?」

「群馬のアレ…また来ました」

「えっ?」

「いや…今の電話の声…まさかと思ったんですが…子供連れて入ったとか言ったんで…やんわり遠まわしに子供連れはと言っときましたが…」

「さっき出たばっかじゃん」

「はい…16分前に退室して、また入りました」

「やっぱり、おかしいんだよ…この人達」


「あっ…また子供連れてますね…」

「常識無いんかね~あっ、コレも群馬だ…」

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