第146話 面倒くせぇんだよ!!

「エロテレビは観れないの?」

「アダルトチャンネルは契約を辞めまして、今、各部屋にDVDをご用意してますので」

「どうするの?」

「えっ?どう?…ディスクを再生してください」

 電話を切られた。

「桜雪さん、電話何でした?」

「いや…アダルトチャンネルがね…いや大したことじゃないんだ」


 しばらくして、電話が

 一緒に掃除していた人が対応していた。

「いや…入力を切り替えてですねー、えっ?リモコンはDVDのでは無くてTVの方で…はっ?」


「507?」

「はい…面倒くせぇんだよ!! って電話切られました」

「しょうがないね…」

「テープが…テープは?って繰り返してましたけど」

「テープってビデオ?」

「ですかね…僕、見たことないんですけど」


 そう、今の若い世代はビデオを知らないのだ。


 それにしても…今時、ビデオテープを探すとはね…

「長いことムショにでも入ってたんじゃないかな?」


 掃除に行くと、悪戦苦闘したであろう痕跡が残っていた。

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