第144話 絆創膏

「いや~時給はいいんだけどね…足がボロボロなんだよコレが…」

 慣れない現場作業で、足の水ぶくれが酷い。

 皆に足を見せると…

「気持ち悪い色になってますね、腐ってんじゃないですか?」

「小指とかポロッといきそうだよね…この色」

「絆創膏、血と水が漏れてますよ、変えときますか?」

「そうだね」


 事務所で絆創膏を貼り直して、足を引きずりながら掃除に向かう…

「桜雪さん、じゃあ、お疲れ様でした」

「うん、お疲れ様~」

「無理しないで、痛かったら、次のシフトに頼んだ方がいいですよ」

「そうもいかないよ…ゆっくりやるさ」


 一人になって、ふと足を見ると…

「おや?」


 左右の親指…小指…足の裏…かかとに絆創膏を貼ったわけだが…

「あれ?何枚か剥がれてるんだが…どこで剥がれたのかな?」


 非情によろしくない状況だ…。

 掃除した部屋…全部で15部屋…週末の夜は忙いのだ。

「どっかの部屋に落とした…のか…」


 掃除後、入室した部屋が7部屋…残り8部屋…。


 やっと足引きずって帰ってきたのにー!!


 また足を引きずりながら、掃除した部屋をチェックしなければならない。

「足痛いんだよーーーー!!」


 絆創膏は発見できませんでした。

「部屋に落ちてなければいいか…」


 大体、暗いんだよ照明!!

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