第140話 外壁が逝く…

「雨漏りが酷いので406点検にします」

 駐車場の雨漏りが酷いらしい。

 深夜に一人、することもなく、駐車場を見に行く。

 まぁ、この程度の雨で?というレベルでポタポタ雨水が垂れている。

 外壁か?屋根か?


 いずれにしても雨の日、夜に行っても解らない、明け方に様子を見に行った。

 2階部分にベランダ的スペースに室外機が置かれている。

 一目見て理解した。

 アルミパイプが、ひしゃげてグニャグニャ、1台の室外機はファンが床に転がるレベルで破壊されている。

 上を見上げると、外壁の装飾タイルが横1m縦5mほどの面積でベロッと剥がれて、地肌が露出している。

「テトリスみたいだ」

 綺麗に剥がれた長方形、タイルが落下して破壊しているのだ。


 屋根までは多少の距離があり、そこからは見えないが、おそらく飛ばされたタイルが穴を空けたのだろう。


 とりあえず写真撮ってラインに上げておいた。

「雨漏りが…」

「業者が…いくらになる?」


 バカ社長とバカ社員がラインを見たのは、その日の夜。

 私のことは嫌いなので、私には絶対聞いてこない。

 しばらくラインのやりとりを眺めていた。


 さらに翌日。

「雨漏りの補修より、外壁の補修が先では?」

 たまたま、ホテルの敷地内に落ちたから、誰も巻き込まなかっただけで…5階部からアレが落下したのだ…車に乗ってても危ない。

 雨漏りの原因もソレかもしれないのだ。


『お前等のお客様目線って?』


 それ以前に、雨漏りしているのだ、まず真上の状況を見に行こうぜ。

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