病んでる勇者に連れてこられたけど、パーティには変態しかいない
渚乃雫
プロローグ
大きな都市から外れた、小さな町で育った私には、
全く持って関係の無い話だとずっと思っていたけれど。
『モンスター達が人を襲う』
『モンスターを取り仕切っているやつがいる』
『魔王が復活していた』
『魔王は強靭な力を持っている』
『魔王が、世界を滅ぼす』
『魔王を倒すために、勇者が必要だ』
『神託によって、勇者が決められる』
『今がその時だ』
そんな噂話を、お店に来る旅人達は、よく話して聞かせてくれた。
けれど、モンスターが暴れてる、なんて言うけれど、
実際には、この町の近くで襲われた人なんて居ないし、
近くの町が襲われた、なんて話すら、聞いたこと無かった。
けれど、
それはある日突然やって来て、
大勢の綺羅びやかな服装の人達と、
強そうな鎧を身につけた人達が、
私達の住む、この平凡な町の
平凡な私の暮らしを一変していったのだった。
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