デブスだった俺。三ヶ月間の修行で最強の高校生デビューを果たす~憧れの伊藤さんと付き合いたい!!~
@ayaseeri
第1話 くっころ
「きゅうひゃくくうじゅうくうっ……せんっっ!!」
はぁ~終わった~。
まだ
「長かったな~この
そう、俺は3ヶ月間この誰もいない森で修行に勤しんでいた。
学校にも行かず、ただ無心に自分磨きに全てを捧げた。
何故かって?
単純なことだ。
俺は恋をしてしまったんだ。
~3ヶ月前~
「おい、そこのデブスっ!今すぐジュース買ってこいや!!」
「……はい、分かりました」
俺はそう呟くとドアを開け、廊下に出ようとする。
その瞬間、右頬に衝撃が走った。
「もっと嬉しそうにしやがれや!この
古傷が裂けて血が溢れだしてくる。
は?ふざけんな、殺すぞ?
そう言ってやりたかった。
先公にチクってやろうか?って思った事もあった。
今すぐぶん殴ってやりたかった。
でも、
それをすれば、もっと悪い状況になってしまう。
神崎が今見せているのは素の神崎だ。
神崎は俺のような一部の生徒に対してこの本性を見せる。
つまり、コイツは先公や女子、スクールカーストの高い男子の前では、イケメン、運動神経抜群、成績優秀という、優等生の皮を被っているのだ。
だから、先公に言ったって俺のようなデブで凡人の言う事なんて信じてくれない。
だから、言えなかった……
「ごっごめん……」
「ちっ、もいい……はやくいけよ」
「うん」
俺はその場から立ち去り、自動販売機までダッシュで行った。
涙が溢れるのも、頬から滲み出る血も気にせず走った。
俺は泣きじゃくりながら自動販売機にお金を入れ、コーヒーのボタンを押す。
ピッっと音がなる瞬間に声が聞こえた。
「どっどうしたの?怪我してるよっ!」
「えっ」
確かに声がした。
俺に話しかけたのか?
……そんなはずはない。
だって神崎から目を付けられてから一年間、誰からも声を掛けられた事なんて無かったのだから。
気のせいだと思い、俺はコーヒーの缶を手に取ろうとした。
その瞬間、白く艶やかな手が俺の腕を掴んだ。
「大丈夫……?痛くないの?」
え……?
俺はゆっくり手の伸びる方に顔を向ける。
そこに居たのは……
「いっ伊藤さん……」
この瞬間、俺は
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