男の理想と理性の狭間
無邪気にニコニコ俺に話しかけて来た案内人の苺は突然‘’本物の苺‘’になった。
その苺を俺は大切に拾い作業台に持ってった。
ケーキ作りなんて一度もやったことの無い俺でも分かりやすく書いてあるレシピを見ながら俺はひたすら大きなボールにバターを溶かし小麦粉を計量し、小麦粉とベイキングパウダーを合わせて篩に掛け卵を割りかき混ぜた。仕上げにバニラエッセンスを垂らし、苺を入れた。
やっとの思いで生地が出来た。後の行程は5種類の粉を入れるのみ。「体型」「感情」「知恵」「官能」「行動」を全体で100%にする。粉の意味についてや粉の比率について書いてあるレシピ書があった。
一つ目の粉「体系」は女の子の肉付きを左右する物で入れれば入れるほど膨よかになる。
例として体型の粉を10%幼女体型の女の子。それを20%にするとスレンダー体型。30%巨乳でややぽっちゃり体型。でそれ以降はどんどん肥大化していくらしい。
二つ目の粉「感情」は文字通り女の子の感情を左右する物で入れれば入れるほど感情の起伏が激しくなる。例として感情の粉を10%で笑ったり泣いたり表情の変化がある。20%は喜怒哀楽がはっきりする。30%は常に騒がしく笑顔だったり怒ったり、泣いたり起伏が激しくなる。それ以降はどんどんヒステリックになるらしい。
三つ目の粉「知恵」は女の子の記憶や言語、知性を左右する粉で入れれば入れる程頭が良くなる。
例としては知恵の粉を10%で記憶も出来て会話の意味はわかるが話せない。20%で人並みの記憶力があり会話が出来る女の子。30%で知的な会話ができ、人並み以上の記憶力がある女の子。それ以降はどんどん天才的頭脳になるらしい。
四つ目の粉「官能」は女の子の「視覚」「嗅覚」「味覚」「聴覚」と性的感覚を左右する粉で入れれば入れるほど感覚が鋭くなる。
例としては10%で視力は弱いが見たり聞いたりはできるが味音痴で性的感覚はない。20%で見聞きでき味覚も正常、性的感覚も人並み。30%で見聞きレベルや味覚は20%と然程変わらないが性的感覚は人並み以上。それ以降はどんどん感覚が研ぎ澄まされる。
最後五つ目の粉「行動」は文字通り、女の子の行動力を左右粉で入れれば入れるほど活発になる。
例としては10%で歩くことは出来るが基本的に歩きたがらないし消極的。20%で普通の行動力で人並みの積極性になる。30%で活発に動き回りかなり積極的になる。それ以降はどんどん活発で積極的行動になる。
因みに注意事項として例としてあげた%はあくまで全体の比率の割合の示唆であり粉の比率によって前後変わる可能性はあり女の子と生活していく中で新たに女の子に芽生える変化もある。
但し、最大の注意事項として5種類の粉を全部入れる必要はないが0%にしたものは後から足すことは出来ず変化も起きないし0%にする事で他の粉の効果がかなり明確に出ると記載されていた。
俺は何度も何度もレシピ書を繰り返し読み返し比率を決めていく事にした。
〜二時間後〜
俺は悩みに悩んだが遂には俺の黄金比率を決めた。
まず一つ目の粉「体型」は太すぎず痩せすぎではなくむしろ少し肉付きのいい30%。
二つ目の粉「感情」は余りヒステリックではなく笑ったり出来る20%。
三つ目の粉「知恵」は俺自身余り頭の良さに自信がないので10%。
四つ目の粉「官能」は見聞きでき性的感覚も普通な20%。
五つ目の粉「行動」は歩けた方がいいし積極性のない俺に積極的な女の子がいいので20%にしてた。
最初に作ったケーキの生地と俺の黄金比率の5種類の粉を大きな人型の型に入れてかまどに入れた。
正直一つ目の粉の比率はすぐ決まったが四つ目の官能の比率一番迷った。男なら誰しもエロい事がしたいが俺自身、そんな経験も無く自身もなかったのだ。
目の前には大きな火のついたかまどがあるのに熱を全く感じない。
俺はこの非現実的な世界で、自分の理想の女の子を作るという目の前にある現実の不安な事よりこれから自分だけの女の子を作る喜びの方が優っていた。
しばらくして、かまどが突然開き中から甘い香りの女の子が飛び出してきた。
続く
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