第216話 ブレインオーダー対ブレインオーダー

 カリラは行く手を遮るように立つ〈空風〉の姿を見据えた。

 敵は攻撃を仕掛けられるまでは動く気が無いようで、両腕を下げ、機体出力も低いままだ。

 この〈空風〉も、ナツコたちの目の前に現れた〈アヴェンジャー〉も、目的は時間稼ぎと予想される。

 事の発端はタマキがナツコたちに輸送隊の後を追いかけさせたことだ。

 よほどあの輸送隊の行き先は知られたくないのだろう。


 カリラにとってはそんなことはどうでも良かったが、目の前に立つ〈空風〉については放っておけなかった。

 かつてレインウェル基地北方への捕虜輸送護衛作戦についたおり襲撃してきたこいつは、あろうことかイスラに怪我を負わせている。

 それをカリラは許せなかった。

 その上彼女の装備する〈空風〉は、カリラの父親ロイグ・アスケーグが製造し送ったものだ。

 ロイグが口を割らない以上、2人の関係についてはこちらにきくしかない。


 相手の装備を確認。

 左手にはチェーンブレード。右手には炸薬式アームインパクト。腰にはハンドアクス。

 銃の類いを一切持たないとち狂った装備編成。

 リーチがあるのはチェーンブレードと移動用ワイヤーのみ。


 対してカリラは、右腕にハンドアクス。左手に振動ブレード。

 他に近距離狙撃用セミオートライフルを担ぎ、対装甲拳銃を装備。

 一応銃はあるが高い機動力を有する〈空風〉相手に命中弾を出せる自信は無かった。


 両手に近接戦闘装備を持ち、じりじりと距離を詰め相手の出方をうかがう。

 ロイグの話では彼女はブレインオーダーだ。

 その実力はイスラの〈空風〉との戦闘で証明されている。

 カリラとしても迂闊に攻められる相手ではない。


 ――それでも。

 カリラはコアユニット出力を戦闘状態まで引き上げ、大地を蹴った。

 一気に加速し、右腕を振り上げる。


 相手のコアユニット出力も跳ね上がる。後ろ飛びで距離をとりつつ、チェーンブレードを振るう。

 分割された刀身が空中を複雑な軌道で舞い、突撃するカリラへと襲いかかる。


 その攻撃を見てもカリラは加速を止めない。

 歪んだ螺旋軌道を描く刀身の全てを、脳の奥深く。本能と呼ばれる領域に書き込まれた戦闘データが解析し、考えるより早く身体を動かす。


 最小限の動きで肉薄しハンドアクスを振るう。

 振り下ろした一撃を敵機は右手に持ったハンドアクスで弾いた。

 しかしカリラは即座に、弾かれた力すら利用して身体を捻り、左手に持った振動ブレードを突き出した。

 攻撃の瞬間に合わせるように敵機の右手が動く。

 アームインパクトで振動ブレードをたたき折るつもりだ。

 

 敵の狙いを察してカリラは左手を引き戻し、かわりにアームインパクト接合部へとワイヤーを射出。

 相手も合わせるようワイヤーを射出。撃ち出されたハーケンが空中でぶつかる。

 カリラは舌打ちしながら絡まったワイヤーを投棄。

 ブースターに点火し敵機側面をとるよう加速――


 カリラの表情が驚愕に歪む。

 敵機はブースターを使い、カリラの側面を狙うよう機動していた。

 スラスターを使って空中制動をかけ、鋭く旋回しハンドアクスを振るう。

 速度を乗せた一撃は敵のハンドアクスとぶつかった。

 衝撃が走り右腕が痺れる。

 脳の中枢部分が一時後退を命じ、それに従ってカリラは後方へ飛び退いた。

 同じように、敵機も後方へ跳躍。


 再び距離をとった相手をカリラは睨んだ。

 一体何が起こっているのか、脳の戦闘用でない部分を使って至急考える。


 ――こちらの動きが予想されている。

 違う。

 向こうと同じ事を考えている。


 どうもこちらの考えの方が正しそうだった。

 だとしたら原因は――。

 それは明らかだった。

 ブレインオーダーは脳に直接戦闘データを書き込む技術。

 カリラには、母親のレナートが戦闘データを書き込んだ。

 相手はユイ・イハラ提督の遺伝子データを元にした個体に、戦闘データが書き込まれた。


 その書き込まれた戦闘データが同じだったとしたら?

 カリラの父、ロイグは言った。

 レナートには書き込むべき戦闘データを入手する手段が無いと。


 そんな彼女がブレインオーダーを造るにあたり、他のブレインオーダーに書き込まれた戦闘用データを参考にしたとしたら?

 カリラの脳に書き込まれた戦闘領域は『Brain Order 2.0』と命名されていた。

 バージョン2.0。

 だとしたら何処かにバージョン1.0があったはずだ。

 もう一度目の前の相手を見る。

 近接武器のみの装備編成をした〈空風〉。


 〈空風〉はロイグが送った物。

 彼と面識があるのならば、レナートとも面識があった可能性は高い。

 距離をとったことで戦闘状態を解除した彼女に対して、カリラは問いかける。


「あなたブレインオーダーでしょう?

 製造者は誰ですの?」


 無視されるかと思いきや、彼女はぺこりと頭を下げて答えた。


「ごめんなさい。

 質問には答えないようにと――って、こう言うのも駄目なのでしょうか? どう思います?」

「知ったこっちゃありませんわ」


 穏やかそうで落ち着いた、しかし何処か抜けた感じのする声。

 遺伝子情報的にはこの声はユイ・イハラ提督のものなのだろう。

 カリラはユイ・イハラ提督については「枢軸軍の危機を救った凄腕の艦隊指揮官」程度の知識しか無かったので、そのほんわかした声は予想外であった。


「ロイグ・アスケーグはご存じでしょう?」

「ごめんなさい。答えられなくて」

「構いませんわよ。知っているのは分かっていますから。

 わたくしはあの人の娘。母親はリタ――レナート・リタ・リドホルムと言った方が分かりやすいでしょう」

「あのう……。

 ごめんなさい。帰って頂いても……?」

「帰って欲しいのでしたら質問に答えてくださいまし。

 レナート・リタ・リドホルムと面識はありますの?」

「答えたら、帰って頂けますかね?」


 彼女は心底カリラにこの場から離れて欲しいようだった。

 カリラは全く帰るつもりはなかったが頷く。


「答えて頂けるのでしたら考えましてよ」

「でしたら答えますけど、リドホルム様とは会ったことありますよ。

 これでいいですか?」

「何時の何処です?」

「えぇ……。

 答えたら帰って頂けるのでは?」

「ですから、どうぞお答えになさって」

「フノス内戦の頃の惑星フノス中央技研ですよー。

 もうこれで帰って下さいね。

 怒られるのはわたしなんですから」

「誰に怒られるといいますの」

「それは――言えるわけないじゃないですか!

 もう! 帰って下さい!」


 駄々をこねるようにして、彼女は「帰って」の一点張りを繰り返すようになった。

 質問に答えてくれないのならば用済みだが、戦って勝てる相手かどうかは微妙だ。

 カリラは脳内で自分の能力をコピーして戦闘シミュレーションを行ってみたのだが、その結果はどこまでも不毛な物だった。

 はっきりいって、同機体で戦って決着のつけられる相手ではない。

 誰か1人に残って貰うのだったとカリラはここにきて若干後悔した。


「そう言えばフノス内戦? とおっしゃいました?

 そんな内戦、記録にないはずですけれど」

「あれ? そうなんですか?」

「なるほど。統合人類政府――いえ、それより前の段階で内戦の事実が抹消されたと。

 あなたは内戦があったのを知っているのに、それが抹消されたことを知らない。

 今まで何処にいたのです?

 帝国? それとも……」

「あ、あのう。

 十分質問には答えたはずですよね? そろそろ帰って頂いても?」

「そうはいきませんわよ」


 カリラは構えを解いていたハンドアクスと振動ブレードを握り直した。

 それを見て彼女も武器を構えるが、あまり戦闘には乗り気では無さそうだった。


「勝てないと思いますよ?」

「はあ?

 それはそちらも一緒でしょう?」

「いえ。そんなことはないかと」

「口だけなら何とでも言えますわよ」


 カリラは戦闘に備えてエネルギーパックを交換。コアユニット出力を緩やかに上昇させながら一歩踏み出した。


「最後の提案です。

 お帰り頂けませんか?」


 相手はぺこりと頭を下げながらもチェーンブレードを構え、尋ねた。

 当然、カリラはかぶりを振る。


「お断りしますわ。

 こちらからも最後の質問です。お答え頂かなくても結構。

 ――先日レインウェル北部であなたと戦った〈空風〉を覚えていらっしゃいます?」


 問われて彼女は、戸惑いながらも小さく頷く。

 カリラは続けた。


「あの方はわたくしのお姉様ですの。

 あなたのせいで両腕に怪我を負ってしばらく入院生活でした。

 お姉様が受けた屈辱、わたくしがここで晴らしてみせますわ」


 大地を強く蹴り突撃を開始。

 既に打ち上げられた照明弾の明かりが薄暗くなってきていた。

 決着は急いだ方が良い。なにより、小細工しようにも手の内は全て互いに明かした状態での戦闘だ。

 全力を投じた短期決戦で決めるほかない。


 敵機も前進を開始。

 あっという間に相対距離が縮まり、チェーンブレードが振るわれる。

 小細工の一切無い、真っ正面からの一撃。

 ギリギリで回避すれば軌道を変えてくる。カリラはハンドアクスで受け流そうとするも、それを読んだ相手が先手を打って軌道を変更。

 しかし変更先の軌道をカリラは予想していて、それを回避しつつ接近するルートで突撃を継続。

 その経路は読まれていて移動用ワイヤーが射出されるが、攻撃を読み取ってカリラもワイヤーを射出。

 空中でハーケンが衝突する寸前で、両者とも武器を失うのを恐れてワイヤーを引き戻す。


 やはり戦闘データは同じ。

 カリラはチェーンブレードを掻い潜り敵機に肉薄しながらも、この先の展開に不安を覚える。

 相手の動きは予想出来る。

 しかし相手もこちらの動きを予想出来る。

 予想した相手の動きに合わせて有利な動きを考えても、その動きすら相手には予想可能であり、結局は選択できる行動が最初に導き出された解に収束していく。

 これでは決着をつけられない。

 それでも、最低限引き分けるためにも、最適解を選択し続けるしか無い。


 ハンドアクスを振り下ろし、回避されたその一撃の応力を使い、振動ブレードを突き出す。

 これは回避されるので、ブースターで機体を無理矢理前面に出し、繰り出されるチェーンブレードを回避しつつ抉るようにハンドアクスを振るう。

 渾身の一撃は相手のハンドアクスで軌道を逸らされて、移動用ワイヤーのハーケンが互いの頭部へと指向。

 だがどちらも攻撃が失敗すると目に見えていたので射出しない。

 そのまま近接戦闘を継続。


 宇宙最速の〈空風〉が2機、機体フレームの限界速度で機動しながら近接武器を振るい続ける。

 常人には目で追うことすら不可能な攻防。

 逼迫した実力――もとい、同じ戦闘データを元にしたブレインオーダー同士の戦闘は互いに有効打を出せない。

 だがその攻防は、確実に決着へ向けて進展していた。

 カリラの繰り出したハンドアクスの一撃を、敵機は炸薬式アームインパクトの衝撃を使って逸らす。そして攻撃の一瞬の隙に差し込むように前蹴りを繰り出した。

 攻撃は予見できたにもかかわらず、回避が間に合わず蹴りの先端がカリラの腹部を捉える。


 蹴り出されたカリラは真後ろに吹き飛ばされ背中から地面に突っ込んだ。

 ブレインオーダーとしての能力が無理矢理に身体を引き起こさせ、背中で受けた衝撃を使って飛び上がると両足で着地。

 直ぐに機体の損傷状態を確かめる。

 腹部のフレームは無事。損傷は軽微。戦闘継続可能。

 カリラは空になったエネルギーパックを取り替え武器を再び構えたが、敵機は戦闘継続を望まないようだった。


「あの、先ほども言いましたけど、勝てないと思いますよ?」

「偶然一発当てたくらいで調子に乗らないで頂けます?

 これで1対1。ここからが勝負ですわ」

「最初のは不意打ちだったじゃないですか。

 もしかしてあなた、戦闘に不慣れなのでは?」

「喧嘩売ってますわね。買いますわよ」


 今にも飛び出しそうになるカリラを、彼女はなんとか思いとどまらせて続ける。


「そ、そういうことじゃないんですよ。

 多分、戦闘自体はたくさんしてこられたのだと思います。

 問題なのは、ブレインオーダーとしての戦闘経験です」


 その言葉にカリラは動き出せなくなった。

 確かに、カリラがブレインオーダーの能力を使用可能になったのはつい先日のことだ。

 その後は〈空風〉の修理に手一杯で、テストをしている暇も無かった。

 はっきり言って、ブレインオーダーとしての戦闘はおろか、〈R3〉を動かしたのも今回が初めてだった。


「なんでそんなこと分かりますの」


 愚直に問いかけると、意外にも彼女は答えてくれた。


「人間的な動きが多すぎます。

 ブレインオーダーとして戦うのでしたら、戦闘データに身体を預けるべきです。

 あなたはそれを実行しているつもりなのでしょうけれど、どうしても”普通の人間”の部分が足を引っ張っています。

 一瞬の差かも知れませんけれど、その差がある限りわたしには勝てません」


 突き付けられた戦闘能力の差に一瞬カリラの戦意も喪失する。

 しかし直ぐに武器を握り直した。


「そんなこと、やってみなければ分かりませんわ」


 戦闘データに対する反応の遅れがあると言うのなら、それが無くなるようにすればいい。

 ブレインオーダーの戦闘データは脳の奥深く。本能の部分に書き込まれている。

 後から書き込まれた”普通の人間”の思考がそこに影響を与えないようにすればいい。

 少なくとも相手はそれを実現している。だとしたらカリラにも出来るはずだ。


 しかし彼女は戦闘継続を望むカリラに対して、もう一度戦闘停止するよう求めた。


「いえ。今のは戦闘技能的な話なのですけど、もう1つありまして。

 こちらが物理的な話です」


 彼女は両手に予備のエネルギーパックを持って示した。


「わたしのほうが2つ多くエネルギーパックを持っているんです。

 分かりますよね?」

「あ」


 カリラは自分でも間抜けな声を出したと自覚するほど、突き付けられた事実に対してぽかんと口を開けて気の抜けた声を吐いた。

 〈空風〉の弱点は装甲の薄さや操縦難度の高さなど多々あるが、その中に燃費の悪さも含まれる。

 高速に耐えうるフレームを超高速で動かそうとするのだからコアユニットもエネルギー転換機も大きくなり、当然エネルギーを湯水の如く消費するようになる。


 カリラの当初の戦闘予定では、出撃してナツコたちと合流して〈アヴェンジャー〉を生け捕りにして帰還するはずだったので、エネルギーパックはそれに必要そうな分と予備に1つ。

 本来予備のエネルギーパックは積めるだけ積むのがセオリーだが、〈空風〉の真の能力を発揮するためには荷物は少なければ少ない方が良い。

 だから余分なエネルギーパックを持ってこなかった。


 だが予想外にも、高機動状態で限界速度まで加速しての近接戦闘をする羽目になった。

 あっという間にエネルギーパックは消費し尽くされ、残りは今装備しているものだけ。

 対して相手は2つ余分に持っている。

 ここから導き出される結論は――


「追いかけっこします?」

「卑怯ですわよ!」


 同型機である以上、速度は同じ。戦闘技能も僅かな差が存在するとは言えほぼ同等。

 となれば逃げられたら追いつけない。

 カリラのエネルギーが尽きた後、敵機は悠々とその場から立ち去ることが可能だ。


「ごめんなさい。

 あなたたちに帰って頂かない訳にはいかないので。

 ではこれで失礼しますね」

「逃がしませんわよ!」


 敵は短く後ろに跳躍してからコアユニット出力を上げ、残っていた最後のブースト燃料すら使って加速した。

 カリラは思わずブースターに点火し後を追ったが、この追いかけっこの結末は目に見えている。

 なんとかして違う結末を得ようと思考実験を繰り返すが、ブレインオーダーの戦闘データはことごとくNOを突き出した。


「だったら!」


 僅かな差で先を進む敵機へ向けて、カリラはハンドアクスを投擲。

 回転しながら襲いかかるそれを敵機は後ろも見ずに回避した。

 されどそれはカリラの予想範囲内。

 空いた右手に、担いでいたセミオートライフルを持つ。


「だ、駄目! 銃は駄目です!」


 突然、前を進んでいた敵機が反転し、カリラの方を向いて警告した。

 そんなことで攻撃を止めるわけには行かない。

 カリラはライフルの安全装置を解除し、トリガーに指をかける。


「ええ。焦るでしょうとも。

 分かっていますわ。あなたにはこの攻撃を予想出来ない!」


 カリラの持つ戦闘データには銃を用いた攻撃方法が一切存在しない。

 同じ戦闘データを持つ相手もそのはずで、だとすれば、カリラがどのような攻撃を繰り出すのか、相手には予想出来ない。

 銃口を向けられた敵機は顔を青くして説得を試みる。


「銃は使っちゃ駄目なんです!

 わたしたちは銃を扱うように設計されてないんです!」

「あなたはそうでも、わたくしは違いましてよ!」


 敵の話になど聞く耳を持たず、カリラはカリラ基準では精密に、実際のところはかなり適当に照準を定めると、トリガーを引ききった。

 当たるはずもない方向に放たれた銃弾。

 相手は一切の回避行動をとらない。

 当然、銃弾はあさっての方向へ飛び、遠くの地面で砂埃を上げた。

 だがその攻撃に、敵は目を見開き動きを止めた。


「外した!? どうしてですか!?」

「ば、バカにして!」


 カリラは怒り狂ってトリガーを引き続ける。

 その全てがとんでもない方向に照準され、放った10発は敵に擦ることすら無かった。


 弾切れを起こしたライフルに次弾装填する気力も無く、全てを諦めたカリラ。

 敵機はそんなカリラへと一礼して、去り際に声をかけた。


「多分、あなたはわたしとは違うんだと思います。

 次に会う頃には全て話せるはずです。ですから、今日の所はお引き取り下さい。

 ブレインオーダーの能力、使いこなせるようになると良いですね。

 ではこれで失礼します」


 去って行く相手をカリラは追いかけない。

 追いかけても追いつけないし、エネルギーが尽きて通信機が使えなくなったらお終いだ。

 引き返せるだけのエネルギーがあることを確認すると、出力を落とした状態で移動を開始。


 イスラを傷つけた〈空風〉への復讐は果たせなかったが得るものはあった。

 それに何より、今は何としてでも〈アヴェンジャー〉の回収をさせなければならない。

 通信機を起動するが、聞こえてくるのはノイズだけ。


「通信妨害? この一大事に指揮官機は何をしてますの!」


 出力を上げて移動したい気持ちを抑えながら、カリラはナツコたちの居るであろう地点へ向けて進み始めた。

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