第8話 町にはいれたよ…

「よ、ようやく町に入れたよ……」


異世界に来て、いきなり裏モンスターに会い死にかけて、町の門前でカード出さず牢屋行きを逃れた……いきなりキツ過ぎだろ! 異世界わ!


「はぁ〜……つかれたわ、カードとか作らなきゃいけないんだけど……ね? 俺は逃げ疲れたし、人と話すの苦手なのに特に女性……怖かったぜ!


今日のところはもう寝たい……はっ!

俺金ねーわ! ん? タプ? 俺タプねーわ!……

宿とか取れねーじゃん! 今日は野宿? そんな経験ねーよ〜〜……詰んだわ


「………」


町を見た………綺麗だぜ〜流石異世界だな。


いや! 現実逃避してる場合じゃねーよ! 俺!

これはあれだまず………ご飯食べよう!


俺はバカか! タプねーんじゃねーかよー!!


「……俺生きてける気がしねーよ異世界……」


トントン


そんな事考えてると肩を叩かれた


「うわーー! えっ!? ど、どちら様ですか?」


そこには全身を覆うローブを着て顔の見えない人が立っていた


「おお! ごめんごめん、びっくりさせちまったかい? や、なに? 何かボーとしてるからどうしたのかなーとな思ってさ? 話しかけたわけよ」


声からして男かな?


「あっ、そうだったんですか……」


「で? どうしたのよ? ん? ああそうだ! こんなところじゃ周りの邪魔になるし……おっ! あそこの店で話さねーか?」


この人はなぜここまでしてくれるのか……

優しい人だ!


「あの〜自分タプなくて……」


「ふ〜ん……なら奢ってやるよ! ほら行こうぜ!…………………これでチャラな♪」


「え? いいんですか? 本当に!?」


え? 何なんこの人優し過ぎじゃね? これは……主人公補正というやつか……へへへ♪

耳悪りーから最後聞き取れなかったけど……まぁいいか!


俺とその人とお店に入った


「いらっしゃいませ〜…2名様でよろしいでしょうか?」


ウエイトレスかわいい


「おう! 2名様ですよ〜」


「ハイ♪ ではあちらの席にどうぞ!」


このローブ男、明るい人なんだな……ウエイトレスかわいいわ〜あのスカートから覗く太ももが特に良い!


席に二人で対面に座る


「では、ご注文が決まり次第こちらのベルを鳴らしてください」


「これね? オーケー♪」


ウエイトレスさんがニコッとローブ男に微笑み仕事に戻った……ふくらはぎも良いね!


「じゃあ〜どれにするっかなー? おっ! これとか良いかも、あんたは何にする?


「……えーとおにぎりとかないかな?………無いか、じゃぁこれにします」


一番安い料理にした、奢ってもらうのだからね?


「それで良いのか? まっ、あんたが良いなら良いけどさ?」


チリン


ベルを鳴らすと、さっきのウエイトレスさんが来た


「ご注文はお決まりでしょうか?」


「これとこれを……10秒でお願いね?♪」


「流石にそれは無理ですよ〜お客様、でも、ものすっごく早く持って来てみせますよ…コックが♪」


「「「俺らに押し付けるなよな!」」」


奥から人の声がした


「ふふ♪ ではごゆっくり〜」


ウエイトレスさんはいい笑顔でローブの男に言った……俺には言ってなさそうだ。 そうだなそうだよな〜


だって俺だぜ?


「あんたは、タプないって言ってたけど……

どうしただよ」


なんて答えればいいんだろう……


「町に入る時に、カードをまだ登録してなくて色々と聞かれまして、町に入るためにお……タプを全部出したんですよ……」


「え? あれってそういう事なのか……」


「……もしかして見てました?」


「お、おおう何かしてるなーってだから声かけたんだわ」


あの泣きながら門番たちと話してるとこ見られてたのか……恥!


綺麗な脚があったら挟まれたい!


「……今日は本当にありがとうございます! マジ助かりました。あなたがいなかったら今日何も食べずに野宿することになってましたよ……」


それとなく野宿アピール


「……お前ほんとタプ無しなんだなー、宿代もやるよ! ここまで来たらな? でも、一番安い宿な?」


お、おお! 言ってみるもんだな!


「え? 本当にいいんですか?」


「返さなくていいよ〜、そんくらいすぐ貯まるし」


「ありがとうございます! ホント助かります!」


俺の生きる希望が湧き始めて来た頃……


「ご注文の料理が出来ました! 」


「おおーきたきた! ここ最近あまり食えなかったから腹ペコだったぜ!」


「そうだったんですか? ではうちの料理をお腹いっぱい食べてくださいね♪」


とローブ男に言う……俺は彼女の脚を楽しむ♪


「……頂きます」


お? これ美味いわ♪ なんの肉なんだろうか? わかんないけど美味い!


食レポなんて出来ないよ? ごめんな? って誰に言ってるんやし


「これ美味しいです」


「ああ! うんめ〜♪」


「当然です♪ だから私もここで働いてるんですから♪」


すごく嬉しそうだ……この笑顔誰が手に入れるんだろうなー……俺は無理だな。


「ウエイトレスさ〜ん注文いい?」


他のお客さんからの呼び出しだ


「あっ! は〜い、今伺いまーす!」


「では料理楽しんでくださいね♪」


「おう!」


「…………」


そうローブに言った……だって俺だぜ?


「あの子、明るくていい子だよな〜、な? そう思うだろ?」


あんたにだけな?


「……そうですね。それに可愛いですよね〜」


「あの子目当ての奴ら多そうだよ」


うん! あの脚の為に俺も常連になろうかな?

まずはタプ稼がなきゃならんけど…


「それでさ? お前は何でこの町に来たんだ?……タプなしで」


「さぁ……自分でもよくわかんないです」


「自分でわかんなくてどうすんだよ……まっ食おう! 冷めちまう」


「ですね」


それから黙々と食べ、ローブ男に質問されたことを曖昧な答えで返し……コミュ力低いんだから仕方ねーだろ?


会計を済ました


「 またのご来店お待ちしております♪」


ローブに顔を向け言う……


「ここ気に入ったからまた来るぜ? ご馳走様!」


ご馳走様のところだけ奥にも聞こえるような声で言った


「「「おう!」」」


「ふふ♪」


「よし行くか!」


「はい、ご馳走様でした」


と俺もいいその店を出た


「これ、宿代な? すまん俺用事できたわ! ここでお別れな? また機会あったら会おう」


「あ、ありがとうございます。ハイ! また」


「じゃーなー」


手を振りながら去って行った


「すごい人だったな……食事代と宿代もらっちまった……いつか恩を返せるといいなー」


でもね? ローブ男さん……私からあなたを見つけることできませんよ? 顔もわからないのに……


「あっ! 宿どこにあるのか聞き忘れた……」


俺はその日路上で寝た……


だって俺だぜ?



















「これでチャラだぜ? 名前知らねーデブさんよぉ

それにいいことあったぜ………ウエイトレスのあの子にしよう……ヒヒヒ」

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