#23 夢ならよかった。

ここは?

「あ、起きたんだ。」

「………ンーンー。」

「嗚呼、ごめんごめん。今ガムテープ外すね。」

「魁斗…………。」

「………!思い出してたんだ。まあ、いいや。イマココデカナタヲコロシテボクモシネバズットイッショダヨネ。」

「…………なんでそんなに震えてんの?僕にそんなに思われてるのが嬉しいの?」

「ちが……」

「そうだよね。ぼくと奏音は相思相愛だもんね。あ、死にたくないんだね。うん、わかったよ。」

よかった。分かってくれた。

「僕ね、奏音との子供がずっと欲しかったんだ。でも、奏音は健全だから『まだ高校生だから』とかいってシてくれないでしょ。だからね、奏音が寝てる間にシたの。」

は?何言ってんだこいつは。

「驚かないで聞いてね。実はねここに奏音と僕の子供がいるんだ。」

「は?」

いやいやいや、なにいってんの?

「ごめんね、そんなに怒らないで。」

嗚呼、意識が遠ざかる。

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでナンデナンデナンデ。


僕ばっかりこんな目に…………。



全部、



全部、















夢ならよかった。

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