月の舞台
不安定な心の奥に
観客のいない月の舞台
冷たく澄んだ
素顔のピエロがうずくまる
くたびれた夢を引きずって
疲れた体をもてあまして
割れた仮面の破片の中に
放心しきって倒れ込む
失くしてしまった思い出は
振り返るだけの
誰もいない舞台の上で
ピエロは最後の仮面を取る
泣き出しそうな素顔の仮面は
頭上に振り上げた手を離れ
悲鳴をあげて砕け散る
砕け散って意味を失う
観客のいない月の舞台
冷たく澄んだ
顔を失くしたピエロが眠る
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