海の色

予感に背を向け

人のない砂浜を

裸足で歩く


暗く淀んだ海は

今にも泣き出しそうな

ぐずつく空を

なだめている


何を待つのだ…


現在いまを捨て

過去きおくにすがりつく

能なしには

望む権利など

ないというのに…


冷たい潮風に

なぶられた肩を

そっと叩く気配を

待ち続ける


振り返れば

悲しみに染まった

暗い海ばかりだと

わかっていながら…


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