夏を愛した人

──青空は悲しいね…

何処か遠くを見つめたまま

あなたはつぶやく 小さな声で

誰もが愛する 青空を

あなたは嫌がる 悲しいと…


──夏は淋しいね…

僕の瞳を見つめたまま

あなたは微笑む ぎこちなく

誰もが愛する 夏の空気を

あなたは怖がる 淋しいと…


あなたが愛したのは 青空

あなたが待っていたのは 夏

けれど あなたが愛した人は

あなたの好きな夏が奪い去って行った

誰もが夢見る 愛の重みを

あなたは失った 夏と共に…


時間ときは確実に流れて行くのに

あなたの心は 過去に置き去り

止まってしまった古時計のように

時間ときを歌うことを忘れている


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